音羽の自然と歴史その3

音羽山 


 これは音羽山の峯(みね)を撮影したものです。音羽山は京都の一番東にある山で,京都では一番早く日が昇ってくる場所でもあります。音羽山からの日の出の光はたいへんすばらしいものです。
 大昔の人にとっては,山は,オオカミやクマなどのけものの住む「こわい所」であると同時に,山からの水が田畑を潤(うるお)して作物を実らせてくれる「ありがたい所」でもありました。だから大昔の人たちは「山に神様がいる」と思って,山に手を合わせておがんだり,収穫した作物をお供えしたりしていたのでした。ちなみに牛尾山の「牛尾」というのは,山の名前ではなくて,もともとは「山の神様に収穫(しゅうかく)した作物をお供えする場所」を表していたそうで,「牛尾山」と名の付く地名は,全国のあちこちにあります。
 音羽山の高さは,593メートルあり,これは,山科でも一番高い山となっています。また,音羽山が占(し)める面積も,みなさんが思っている以上に広いのです。ふだんは山科の地図というと,みなさんが住んでいる部分を中心に書いてありますが,音羽山を中心として地図をみますと,山科盆地に負けないぐらいの広さに山地が広がっていて,「音羽山山麓(さんろく)」だけでも,山科区の4分の1ぐらいの面積を占めるほどになります。校歌で「音羽の山」と言わずに「音羽の峯(みね)」とはよく言ったものだと思います。そして山の中腹に「牛尾観音」と呼ばれているお寺があります。このお寺,正式には牛尾山法厳寺(ほうごんじ)と言い,清水寺の元寺と言われています。ここには有名な観音様がまつられているのですが,このお話はまた別の機会にしましょう。
 ところで,「音羽山には昔から天狗(てんぐ)が住んでいる」という伝説があるのを知っているでしょうか。この天狗さんには名前も付いていて「大杉坊」というのだそうです。昔は,天狗は山の神様の使いだと思われていました。

(記事 S.A)

音羽の自然と歴史 そのH

音羽の自然と歴史 そのG

音羽の自然と歴史 そのF

音羽の自然と歴史 そのE

音羽の自然と歴史 そのD

音羽の自然と歴史 そのC

音羽の自然と歴史 そのA

音羽の自然と歴史 その@