榛の木汁染めの由来と口伝


「榛の木汁染め」の由来
1) 水尾の榛の木汁染めは、三幅の赤前垂れの染め方として伝えられてきました。
2) 三幅前垂れは、清和天皇が水尾に住まわれた時に、奉仕した女官達の緋袴(
   ひばかま)をもしてつくられたと言われています。
3) 三幅前垂れは、水尾の誇りのような物だったと思います。
   水尾では、この三幅前垂れを本当に大事にしてきました。このことは、水尾の方
   の聞き取り調査からも分かりました。
4) 昔は、緋に染める草木が少なかったので、緋は高貴な色とされ、位の高い人が
   着けていたと言われています。
5) そこで、水尾では、榛の木を使って、茶褐色の三幅前垂れを作り続けていたそう
   です。


水尾の運動会種目に、2チームに分かれ、三幅前垂れの「水尾女(みずおめ)」の
着付けを競う競技があります。
ここでも、榛の木汁染めの三幅前垂れは、大切に受け継がれています。


水尾に伝わる「榛の木汁染め」の口伝
1) 晩秋、水の下がった榛の木の皮、やまももの皮を採取し、10日以上乾かす。
2) 榛の木の皮とやまももの皮は、3対1の割合で用い、400匁(もんめ)とする。
   (1匁は、約3.75グラム。)
3) 八升釜一杯の水にて煮出す。
   (1升は、約1.8リットル。)
4) 半時間ほど煮出し、たらいかなべにとり冷まし、3日間ほどおく。
5) 染め用晒し綿布300匁を、米のとぎ汁にてよく洗う。
6) 染め汁に生石灰をひとつかみの3分の1を入れ、よくかき混ぜ、染め布を浸す。
   一番灰汁1升を、3回に分けて入れる。
7) 染めつけ具合を見ながら、薄染めにして、天日に干す。
8) これを、3回繰り返すし染め付けると赤褐色を得る


榛の木汁染めの手順    「榛の木汁染め」にチャレンジ


紅花染め   身近な素材で   水尾の草木で


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