創造技術科 とは?

洛陽工業高校は、時代の要請により、また卒業して10年後の社会の中枢となって活躍できる工業人育成を目標とし、創造技術科という大きな器で、一括募集をしています。

POINT! 創造技術科=全生徒対象

 

1年生では、共通学習を通じて基礎を学び夢に向けてスタートします。そこで自分の夢・興味・可能性・適性などを考えます。2年生からは、それぞれの専門コース(電気コース・電子コース・機械コース・京都ものづくりコース)を選択し、工業の知識・技術・技能を学び、現代と未来の工業技術に対応できる人材育成を目指します。

また、1〜3年次に本校独自の教科・科目として「創造探求教科・科目」が設置されています。これらの科目は、課題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、自己他者理解能力を育成し、主体的な進路選択や将来設計をする能力の向上を目指します。

創造技術科一括募集について (学校長より)

これまで様々な方から、「なぜ学科別の募集をやめたの?」「創造技術科とは?」「一学科募集とは?」「洛陽が目指す教育とそれを実現するシステムとは?」について質問を受けました。これらの質問は、2005年に着手した工業教育改革以来、一貫して説明してまいりましたが、変化する社会と向き合うという観点も含め、改めて校長として改革の決意としてお伝えいたします。なお「京都市立工業高校のあり方に関する検討プロジェクト」のまとめとも無関係ではありません。こちらのまとめについては公開されておりますので、以下をご参照ください。(http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000086061.html
●従来、私たちは専門性をすごく大切に考えてきました。ものづくりの世界では、機械、電気、電子、建築、土木、工業化学、染織など、時代の変化とともに深化、細分化され、それを究めることに価値をおいてきました。
●伝統的な日本の工業高校または併設の工業科は、専門指向型であり、専門分野や学科間・コース間の壁があつく、隣接分野への視野を広げる努力は軽視されてきました。
●これに対して、日本の公立工業高校として最も伝統のある本校が、核となる専門分野を持ちながら、それを越えた裾野の広い教育・研究を行うことを目的として改革したのが現在の創造技術科です。
●なぜ今日、「裾野の広い教育・研究」が必要なのでしょうか。現代の高度な科学・技術の発展は、個別の研究・開発の細分化をうながす一方、これまでの個別の研究・開発の枠組みではとらえきれない科学・技術上の問題を生み出すと同時にそれが社会的課題にまで発展しました。例えば、環境汚染や生態系破壊の問題です。これらの問題には、科学・技術上の様々な専門分野が複雑に絡み合って問題群となっているだけでなく、法律的、政治的、文化的な様々なレベルでの要因も複雑に絡みあっていて、その解決は容易ではありません。このような複雑・多岐にわたる問題や課題に応えるには、各専門分野の協力による幅広い教育・研究が必要です。他人事ではありません。
●洛陽工業高校では、創造技術科として改革して以来、電気、電子、機械とそれらに伝統産業、化学の基礎を融合した最先端の京都のものづくりについてさまざまな課題とテーマについて、総合的・融合的な研究がなされています。そして、さらに「伝える技術」も身につけ、これらの分野において既に幾多の成果があげられ、有為な人材を社会に送り出しています。
●以上のことは、専門性を究めることを否定するものではありません。専門性について私たちは、今の社会では「視野が狭くなる恐れがある」と考え、専門と専門の間の「すきま」や「接点」「交わり」についてやってみる価値もある、技術についてニッチを開拓しようと考えました。
●専門性を少し犠牲にして、「幅広い」「他分野への挑戦」に取り組み、一言で言うと教養ある人を育てたい。もっと柔らかく言うと、下半身を強化させたい。これまでは異なる分野と考えられてきた領域の、「ものの見方・考え方」が理解でき、いろんな人と「協働」「共汗」できる人。少なくとも、異分野のアウトラインを理解して位置付ける力を身につけてほしいと考えています。
●特定の分野の力を伸ばしていないと就職に不利だと思う人がいます。しかし、企業側から求めるものが変化してきている現実があります。
●経済産業省の「社会人基礎力」もまさにそうです。Action(前に踏み出す力)、thinking(考え抜く力)、teamwork(チームで働く力)をこれからの社会は求めています。いわば就職のための3つの力です。
●本校では、進路希望が就職であれ、進学であれ、18歳で自立することを目指します。
●異なった専門分野との総合の楽しさを実感する取組に挑戦します。「総合」は今すぐ役立つ力をつけるのではありません。ただし、今すぐ役立つ力はすぐに滅びていきます。大切だと思うのは「新しく生まれ変われる力」ではないかと考えました。それが「創造技術」に込めた思いです。だから、「挑戦する」「突破する」ことが大切です。それがないと従順であることしか売りがなくなります。それもないと勝手気ままな糸の切れた凧となります。
●融合の楽しさは異なる専門分野との「関連付け」です。そもそも文系、理系は大学受験の便宜上のものです。電気でも機械でも他分野に関連付けられています。このことは本校の「課題研究」で実感できるはずです。融合分野で活躍するには2倍(専門性+教養)勉強しなければなりません。
●したがって、中学校までの学習の成果が不十分であっては困ります。ただし、中学校での学習の成果が高かったからと言って、希望の進路が保障されることはありません。高校での学習に社会性や志を持ってほしいと思っています。
●今までのものづくりで利用してきた資源やエネルギーは10〜20年後にはなくなると言われています。私たちはこの事実に対して無責任であったり、他人事であったりすべきではありません。その頃になるときっと新しい技術が発明・開発されて・・・と根拠ない期待を持つことは問題の先送りでしかありません。このような未来を挑戦するチャンスと思える技術者、研究者、経営者を目指しませんか。そんな志のある人を本校は求めています。

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1年次で学ぶこと

創造探求教科・科目

■創造基礎:環境問題をテーマにプレゼンテーション能力や課題解決能力の基礎を身につける学習をします。
■キャリア基礎:将来設計やコース選択を考える取り組みをします。

工業共通履修科目

■工業技術基礎:工業に関する基礎的な知識と技術を、実技を通して習得します。
■電気基礎:工業に必要な電気に関する基礎的な知識と技術を習得します。
■製図基礎:図面を正しく読み、図面を構成し作成する能力を習得します。基礎製図検定の合格も目標の一つにします。
■情報技術基礎:パソコンを使用し、基礎的なプログラミング言語の知識と技術を習得します。情報技術検定3級の合格も目標の一つにします。

普通科目

■国語総合・地理A・数学T・理科総合A・保健・体育・芸術・英語T

2・3年次で学ぶこと(詳細は各専攻コース参照)

創造探求教科・科目

■キャリア形成T:職業理解と進路設計を考える取り組みをします。
■キャリア形成U:進路実現を考える取り組みをします。
■ものづくり実践: ※京都ものづくりコースのみ履修

工業コース別履修科目

■創造技術T・U: ※電気・電子・機械コースのみ履修
■ものづくり設計 : ※京都ものづくりコースのみ履修
■ものづくり探究 : ※京都ものづくりコースのみ履修

普通科目(2年次)

■国語総合、現代社会、数学U、物理T、保健、体育、英語T
■選択科目(小論文、数学B、英語演習)

普通科目(3年次)

■現代文、世界史A、体育、オーラル・コミュニケーションT、生活技術
■選択科目(小論文、国語演習、政治・経済、数学V、数学A、数学演習、物理U、化学T、英語演習、英語U、TOEIC受験演習)

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