News

8月にフジの花が開花!?

平成14年8月7日

 7日の午後,藤棚の横を通りながら,フジの木をふと見上げたとき,フジの花が咲いていることに気づきました。
 「8月にフジの花!」という驚きとともに「やっと咲いたか!」という思いが強くありました。
 フジ5月の花ですから,この8月の炎天下で咲くことも聞いたことがありません。
 平成5年3月に,新しい教室棟が完成しました。その折,校地の整備が行われ,この藤棚も造られました。
 それ以来10年が経ちました。2本植えられたフジも大きく育っています。ところが,誰もこのフジの花を見たことがありません。
 厳密に言うと,2年前に,誰も気づかないように本当に小さな小さな1房の花が咲いたことはあり
ます。
 「毎年,春になると今年は花が咲くかな」と期待していました。というのも,学校ではなんとかこのフジが藤棚いっぱいに咲き誇る姿を想像して,いろいろと苦心してきたからなのです。
 フジが花をつけるにはどうしたらいいかを調べたり,世話をしてきました。
 毎年元気に伸びてくる枝を,1年に2回は剪定をしてきました。
 本で調べてみると次のように書かれていました。「藤棚を作って植えたのはよいが,つるばかりが伸びて一向に咲かないケースが随分多いようです。そのような場合,たいていの人はつるを切り詰めるので,かえって新しい枝が元気に伸びて,いつまでたっても咲かない悪循環が繰り返されます。」
 剪定の方法によって花のつき方が決まるというので,花芽がつく場所を考えて切ったりしました。それでもなかなか花はつきませんでした。そこで,植木屋さんにも何度も剪定をお願いしたり,剪
定の方法を教えてもらいました。
 それでも花はつきません。そんなことを10年近くも繰り返すうちに「このフジには花はつかない」とあきらめていたのです。
 今年の春も,花を見ないままにフジの枝が徒長し,藤棚の周りに長く垂れ下がって見苦しくなってきましたので,夏休みにはいった7月23日に垂れ下がってきた周りの枝を切り取ったのです。すると2週間ほどで花が咲き出したではありませんか。
 初めてみる学校のフジの花です。それも炎天下の8月に。
 どこから花が出ているか詳しく観察してみました。すると,どの花もこの春に伸びだしたつるを切った切り口に一番近い芽の部分から花芽が出ています。こうして花が咲いたのですから,これまでの剪定の方法は間違っていたのでしょうか。原因ははっきりわかりません。
 季節はずれのフジの花を見て,立派に花を咲かせるのは大変難しいものだとおもいました。
 でもせっかく咲いた「8月のフジの花」を何人の人が気づいたでしょうか。
写真:平成14年8月7日・室町小学校