学校の歴史

サルスベリ(百日紅)の木

   室町だより9月号で紹介した正門横にあるサルスベリの木のついて紹介します。
   このサルスベリの木は,現在は小さな木ですが,学校で最も大きな「ヒマラヤスギ」
   よりも古い歴史がありました。地域の方のちょっとした一言から興味をもって調べて
   みました。

 この写真は,昭和2年(1927)の「卒業記念帖」の中にある正門の写真です。
 この当時,室町校の名前は「京都市室町尋常高等小学校」といいました。校門
の左手の門柱の上のほうに斜め下から伸びている木があります。この木が「サル
スベリ」です。夏に長い間,花を咲かせるので百日紅とも書きます。この時には,
サルスベリとしては,すでに大きな木に生長していますから,もっと昔,明治の頃
から植えられていたのかも知れません。
 次の写真は,昭和10年(1935)の「卒業記念写真帖」のある正門のようす
です。校舎のようすはほとんど変わっていませんが,このサルスベリは大きく
なっているようすがわかります。葉がありませんから冬にとられた写真です。
 時は流れて,昭和48年(1973)の卒業アルバムです。今から29年も前のこと
です。この時のサルスベリは幹周りも大きくなり,ずいぶん傾いてきています。卒
業生の顔の大きさと比較するとその大きさがよくわかります。
 この木がいつ切り倒されたか記録に残っていないのでわかりません。でもこの
木の形から想像すると,車などの通行に邪魔になる,または大きな工事などのた
めに伐採されたのではないでしょうか。
 現在は,伐採された切り株から新芽が出て,よく茂った植込みの中でもサルス
ベリの木がよくわかるようになってきました。夏から秋にかけてたくさんの花を咲
かせています。
 これまでは校門の所にサルスベリの木があることはわかっていました。また,年
毎に大きくなってきたなという感想はありました。
 50代半ばの卒業生の方の「僕らが小学生のときも,ここに大きなサルスベリが
あった。」という言葉に興味をもったので,この木の根元を調べると,直径が25セ
ンチを越えるほどの大きな切り株の跡ががありました。ほとんどは朽ちてしまって
いますが,新芽が出ている部分だけが今も残っていました。
古いサルスベリの生命を引き継いだこの木も,年月を重ねるごとに大きく生長して
いくだろうと思います。そして,30年前の形と同じようになるかもしれません。
現在のようすの写真は,平成14年9月18日,19日撮影