学校の歴史

カイズカイブキ

 今回は,ヒマラヤスギと同じ時期からある樹木,カイズカイブキについて紹介しま
しょう。ヒマラヤスギの南隣に2本のカイズカイブキが植えられています。新体育館
ができるまでは,3本のカイズカイブキがありました。体育館建築の際に一番南側
にある木は伐採されてしまいました。今回紹介する木は,下の写真の真中の木で
す。平成4年に完成した新校舎ができるまでは,この場所は花壇でした。
 それでは,このカイズカイブキはどこからきたのでしょう。
 下の写真は,2代目の校舎です。昭和46年度(1972)卒業アルバムの写真で
す。今からちょうど30年前の頃です。この写真の中に,校舎に沿って樹木が植え
られています。
 大きな木は,先に紹介したヒマラヤスギです。その間に,樹高の低い木がありま
す。これがカイズカイブキなのです。この写真から,ヒマラヤスギとカイズカイブキは
交互に植えられていたようです。
 翌年(1973)の卒業アルバムを見てみましょう。ここには2本のカイズカイブキ
が写っています。百葉箱のうしろと左側後方の木です。昭和11年の新校舎完成
の時に植えられてから37年が過ぎ,こうして近づいてみると大きく生長している
ようすがよくわかります。これらのカイズカイブキもヒマラヤスギと同じ運命をたどる
ことになります。この校舎が全面改築される時に伐採されてしまうのです。
 そして,1本のヒマラヤスギと1本のカイズカイブキが旧校舎の記念として現在の
場所に移植され残されたのです。これには,室町校第25代校長・森田校長先生
のご尽力がありました。
 室町校で子ども達に最も親しまれている木は,この「カイズカイブキ」の木です。
 この木は,学校内で唯一子どもたちの木登りが許されている木だからです。
 「玉ちらし」に剪定してありますので,枝が八方に水平に伸び,木のてっぺんまで
登ることができるのです。特に,低学年の子ども達の人気者です。
 今では,旧校舎時代の雰囲気を伝えているものは,このヒマラヤスギとカイズカイ
ブキのならび,そして,周りにおかれた庭石たち,さらに,体育館新築工事のために
2度目の移設となった「表彰記念碑」だけかもしれません。
 そしてもう1本のカイズカイブキは,この移植工事をされた黒松造園から寄贈を受
けたものです。
写真:現在のようすは,平成14年9月20日撮影