会長挨拶
戦後の幾多の新しい教育制度の改革以来,本研究会の研究活動も年々充実の度を加え
てまいりました。その間には,多くの先輩研究会員の努カの積み上げと,次の段階に向
けてのあたたかい励ましがありました。また,教職員ならびに教育委員会の皆様方には,
本研究会の研究研修活動・事業に対しまして,多大のご理解・ご協力をいただき,心か
ら深く感謝申し上げます。
今,子供達は,思い思いに遊具に跳びつき,滑り台を我が物顔で滑り降りています。
同じ校庭で,元気に走り回る姿や,地面に文字を書きながら和やかに語らう姿もありま
す。池の生き物を探し求める微笑ましい姿も目に入ってきます。子供達は,まぎれもな
く,この新しい世紀に成人し,国際化・情報化など科学技術の一層進歩した社会に生き
ていきます。健やかで心豊かな調和のとれた一人として,多様な社会の変化に対応し得
る「生きるカ」を培ってほしいと願っています。
本研究会では,基礎・基本を定着させ,主体的に課題解決を図りながら「文字を正し
く整えて書こうとする能力や態度」を育成し,日常生活に生きて働く書写力を身に付け
ることを目指しています。
子供は誰でも,美しい文字を書きたいという願いをもっています。小学校国語科書写
での「美しい文字」とは,基礎・基本を大切にした「正しく整った文字」を意味します。
一般的に,書写の時間は文字の形を意識して書くが,他教科のノートの文字はなかなか
思い通りに書けずに諦めてしまったり,雑になったりすることが多くなります。
どの子供にも,美しく整った文字を書ける喜び,自分もやればできるという満足感を
経験させることが,子供の文字感覚を養い,文字意識を高めていくことにっながるので
はないかと考えます。そのために,子供一人一人が書写学習の中で,しっかり自分の文
字を見つめ,自分のめあてをもち,一人一人の学びの道筋を見つけていくことが極めて
大切であると思います。
今後も一人一人が「書写」の大切さを理解し,将来にわたって心豊かな生活が送れる
よう書写教育の取組の改善・工夫・充実を図っていかなければならないと考えています。
最後になりましたが,本研究会の取組を進めるにあたり,労を惜しまずご指導・ご助
言・ご協力くださいました京都市教育委員会指導主事 中城あさ代先生には,心から厚
くお礼申し上げます。
平成13年3月
京都市小学校書写教育研究会
会長 横 田 征 洋
指導主事挨拶
平成14年度からの新教育課程実施に向かって,12,13年度は移行措置の中で教育
が進められております。書写教育研究会におかれましても『自らの目当てをもち,主体的
に取り組む書写学習』を研究主題に据え,「文字を正しく整えて書く力」と「生活に役立
つ書写の力」を育成するために,学習指導の工夫や支援の在り方などにっいて実践研究を
進めておられます。
横田征洋会長先生をはじめ,研究委員の先生方の精カ的なお取り組みに対し,深く敬意
を表します。また,京都市小学校児童書き初め展をはじめさまざまな作品展覧会活動を通し
て,児童の文字に対する関心や意欲を高めていただきましたことに心から厚くお礼申しあ
げます。
文字は,日常生活の中で,自分の思いや考え,いろいろな知識や情報などを相手に伝え
たり,後に残すために記録したりする役割を果たしています。字形が整わなかったり,誤
字であったり,他の文字と間違われるような書き方をしたりすると伝達や記録の機能を十
分に果たすことができなくなります。このように,「文字を正しく整えて書く」ことは,
国語の基礎能力として欠くことのできない大切な内容だげでなく,子どもたちの生活すべ
てに大きなかかわりをもっていると言えます。
この力の定着を図るには,書写の学習活動において前時までに獲得している学習内容や
方法を生かしたり活用したりしながら系統的,発展的な学習指導計画を工夫すること,毛
筆と硬筆との関連を密にした学習指導計画を作成することなどが必要です。
また,教科・領域をはじめいろいろな場面で,書く文字のよさや美しさを生かした表現
活動を行うことも大切です。伝えたい事や礼状,依頼状などの手紙を書く,観察した事を
文などに表す,経験した事をまとまった記録や報告にしたり,学級新聞に表したりするな
ど言語活動例の具体化は勿論,標語・目標などの掲示物やクラブや委員会のお知らせ,各
種の招待状などを作成したり,自作の短歌や俳旬などを短冊に書いたり…。教師がこれら
の活動を意識的に働かせていくことによって,繰り返し学習ができ,学習した文字から他
の文字へと応用するカが身に付いてきます。そして,学習や生活に役立つように書くとい
う目的意識が高められ,「生活に役立つ書写」のカヘと繋がっていくのです。
主体的に学習し,清書することで終わりにするのでなく教科・領域や日常生活における
「正しく整えて書くこと」に積極的にかかわる子どもたちの姿を求めての研究が今後も深
められることを期待しております。
本研究会の益々の発展を祈念致しまして,挨拶とさせていただきます。
平成13年3月
京都市教育委員会永松記念教育センター
指導主事 中城 あさ代