昨年の山の家での野外学習のことです。キャンプファイヤーも終わって、ふと見るとホタルが乱舞していました。みんなで近寄っていき,「きれいやなあ」と見ていました。しかし,2分も見ていたでしょうか、子どもたちはキャンプ場の方に帰って石蹴りをしており,残ったのは、担任と一人の子どもだけでした。そこで子どもたちにじっくりホタルの光る様子や不思議さを見させてやろうと考え、子どもたちを集め、水車小屋の方に行ってホタルを捕まえ、手の上にのせてやりました。すると、それから、子どもたちは自分たちでホタルを捕まえはじめ、手の上で光ったり消えたりする様子をじっと見ておりました。

今の子どもたちはめまぐるしく変化するテレビゲームの場面にはしっかりついて行くことができます。しかし、じっくり観察したり、美しさに感動したりすることは得意としないように思います。そういう場の設定や支援が必要ではないかと考えています。

   一方、教師の方はというと、大変忙しくしています。理研の夏の宿泊研修は教師自ら、自然の素晴らしさや不思議さに感動したり、体験したりする最高の機会です。私が若かった頃の夏期研修は2泊3日で、しかも案内が学校に届くとその日の内に申し込みをしなければ定員をオーバーしてしまうほどの盛況ぶりでした。しかし、近年は、1泊2日になっても定員に満たない状態です。多忙な中にも,もう少しゆとりをもちたいと思うのは私だけでしょうか。

   このような子どもや教師の状態の中で、「理科嫌い」、「理科離れ」と言われ、理科教育の振興が重要視されてきています。私たちは、本来子どもは理科が好きであるということを基本に、「科学好きな子どもを育てる」を研究主題とし研究を深めてきました。子どもが興味・関心をもって理科学習に取り組み、科学のおもしろさを味わいながら課題追究をしていくような理科学習を追求しています。また、授業研究だけでなく、教員の野外観察活動、教材研究会、実態調査など幅広い活動を行っています。

  私たちは、理科教育を通して子どもたちに自然を愛する豊かな心と「生きる力」を育てていきたいと考えています。

   今年度は京都理科研究会創立90周年を迎えます。11月11日に今までの研究の節目として常磐野小学校で研究協議会と小柴昌俊先生をお迎えして記念講演会を開催致します。多くの先生方のご参加をお待ちしております。