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「21世紀の『理科』を考える京都市民会議」
市長挨拶

桝本市長 サイン

「21世紀の『理科』を考える京都市民会議」の発足に当たりまして,一言御挨拶申し上げます。
 皆様方には,御多忙中にもかかわりませず,本市民会議の趣旨を御理解いただき,委員への御就任を快くお引き受けいただきましたことに,心から御礼申し上げます。
 さて,今日の日本におきましては,子どもたちを取り巻く環境や価値観の大きな変化に伴い,子どもたちの学習に対する態度も大きく変化してきております。
  とりわけ,近年,理数系の学習に対する子どもたちの関心が低下しており,子どもたちだけでなく,私たち大人も「理科離れ」,「理科嫌い」にある状況は,国際的な調査結果においても示されているところでございます。

 本市では,理科教育の中核施設として,昭和44年に全国に先駆けて開設した青少年科学センターにおける取組など,先進的な理科教育を進めておりますが,こうした「理科離れ」や「理科嫌い」は,科学技術創造立国として将来を展望してきた我が国の根幹を揺るがしかねない事態であり,子どもの頃から科学技術についての興味を身に付けることは,非常に重要であります。
 そこでこの度,京都市として,「理科好きな子どもの育成」と「生涯学習としての『理科・科学』の振興」などについて,積極的な検討を行っていくために,「21世紀の『理科』を考える京都市民会議」を設置し,あらゆる分野で情熱と豊かな創造性を発揮され,御活躍されている方々に委員の就任をお願い致したところでございます。
 諮問事項並びに理由は,お手元の資料のとおりでありますので,よろしくお願い申し上げます。
 本市民会議におきまして,皆様方の貴重な御経験や豊かな御識見から,この京都にふさわしい理科・科学教育振興策が生まれ,新しい理科・科学教育の新風が,全国に先駆けて京都から吹き起こることと確信致しております。
 私と致しましても,豊かな学習資源と環境に恵まれた京都の特性を生かし,「まちづくりはひとづくりから」の理念の下,「教育の先進都市・京都」の更なる発展に全力を傾注して参る所存でございます。

 堀川高校の「堀川の奇跡」(106名の卒業生が国公立大学へ現役合格したことや3年間の取組の成果がスーパーサイエンスハイスクールの指定へ結実したこと)と言われているように,子どもたちには本来向上心があります。関係者の一体となった努力に子どもは必ず応えてくれます。そういうことを例証した訳であり,その意味で,大人の責任は誠に大きいのであります。
 ギリシャ・ローマ帝国の衰亡に見られるとおり,パンとサーカスの行き届いた,いわゆる成熟社会では,子どもも大人も,知的なことに興味や関心を持ち,継続して努力することを拒否するようになります。
 社会の発展段階で言えば,貧困や飢餓が解決してしまった社会では,単なる豊かさの追求,あるいは単なるお金では,人のやる気は起きないといわれています。
 志の高さと自己実現の欲求,つまり,「強い人間が持つ『何かを成し遂げたい』ということ」を私たちは,今一度,世界に問い直さなければならないのではないかと思っております。

 結びに,本「21世紀の『理科』を考える京都市民会議」の委員の皆様方から,市民ぐるみの新たな理科教育創造への道筋を明らかにしていただきますようお願い申し上げ,私の御挨拶とさせていただきます。

平成14年8月2日