21世紀の『理科』を考える京都市民会議>第9回会議要録


「21世紀の『理科』を考える京都市民会議」
第9
回 会議要録

1.開催日時: 平成16年3月25日(木)午前10時〜12時
2.場   所: 京都市青少年科学センター 図書室
3.出席委員: 日高 敏隆 委員(座長),今福 道夫 委員(副座長),瀬戸口 烈司委員, 山田 秀司 委員,
         堀場  厚委員, 廣瀬 佳治委員,佐藤 愛子 委員,宇野 里枝 委員, 下岡 多佳子 委員,
         河野 文彬 委員,阿古目 良子 委員,白須   正 委員,向井 宣夫 委員, 山本 壯太 特別専門員,
         蔭山 薫 専門員(順不同)
     
  教育委員会: 永田 和弘 指導部担当部長 

4.議事次第
    (1) 開会
    (2) 中間報告についての報告
    (3) パブリックコメントの結果について
    (4) 提言(案)について

 (全体会議議事内容)   

※ パブリックコメントの結果にもとづき,「提言」(案)が論議され,成案が得られました。
※16年度当初に「提言」を市長に提出することを決定しました。

 

[参 考]:『 パブリックコメントの結果 』

[中間報告に対する意見(パブリックコメント)]
[募集期間]
平成16年2月3日(火)〜3月15日(月)
[募集方法]
ファクシミリ,Eメール,郵送
[応募意見]
23件
[意見内容]
 
番号
意見(要旨)
 子どもたちに向けて,また生涯学習としての楽しい理科教育を実施することにより,幅広い層の市民が興味を持つ手段として,学校ビオトープや自然エネルギーをテーマにした,そして,環境に配慮した生き方に役立つ理科学習の場を作ることが大切である。京都にある「学ぶ場」としての施設や,豊富な人材といった資産を活用し,次代を担う子どもたちが理科に興味を持つよう検討されることを望む。
 「理科好きな子どもが育つ」ためには,教科書の絵だけの実験を見せてもだめだと思う。子ども自身が体験しないと理科が好きになれない。実験や体験を通して理科好きな子どもを育てていただきたい。
 理科は体験の上に成り立っていると思う。「触覚・味覚・視覚・聴覚・嗅覚」いわゆる五感を発揮し,いろいろな不思議を膨らませる。子どもの中の不思議を大人はしっかり受け止め,一緒に体験し,解き明かす。そんな基本的なことが,いつの間にかおろそかになっているように思う。机上の教科書の中の理科だけでは学んだことにはならない。やっぱり体験であり,体験すれば興味が湧き,楽しくなる。もっと子どもたちを外に連れ出し,興味の外に追いやられた理科を取り戻してほしい。
 今の子どもたちに必要なことは,自ら物事をじっくり考え,観察したり,体験することだと思う。ところが子どもたちは何か疑問を持ったり,課題を与えられたとき,インターネットで調べることにより,理解し,解決したと思い込んでいるようだ。そうではなく,自分自身の体験・経験を積み重ね,感動し,疑問をもつことが理科への興味につながっていく。科学センター,博物館なども大いに利用すべきであるが,さまざまな施設に行き,活用したいと考えるきっかけ,動機を与えることも必要である。子どもが「自然」に興味を持ったり,科学・理科好きになるには幼児期の経験も大切だ。身近な場所で,大人も子どもも一緒に楽しみながら参加できる自然観察サークルのようなものがあれば,ぜひ参加したい。
 「ガス科学館」等民間施設を利用した理科的不思議体験を経験してもらうことにより,公民協力の一つの形と,学びの一つの方法を提案させていただきたい。
 @ 「理科好きな子ども」を育成するには「理科好きな教師」が必要。疑問に即答せず,子どもに考えさせ,「自分で育つ」子どもを育成するには,即答はしないが,適当なヒントを与えたり,逆に質問して刺激してやるとか,懐の深い教師が必要。そのためには教師自身が自然科学に大いなる興味を持っていることが大事。どの分野でも良いから,自分で興味を持って研究した経験のある教師が必要であると思う。
 [対策1]小学校高学年から理科専門の教師を配置する。
 [対策2]小学校高学年と中学・高校の理科担当教師を再教育するサバティカル(研究等のために一定期間与えられる長期有給休暇)制度を設けて順番に大学院修士課程に数年間留学させ,研究論文をまとめる体験をさせる。
 [対策3]サバティカル制度を可能にするため理科教員を増員する。

 A 子どもの頃に土をさわり,農作物を育てる経験を持つことが重要であると思うので,小学校高学年か中学校低学年のカリキュラムに農業実習を導入する。農作業を通じて,いろいろな鳥や虫に接することもできるし,作物に及ぼす気象や日射の作用も体で実感することができる。このことは自然と理科に親しむ機会を与えるのみならず,食生活の上での問題など,地球とともに生きるということの原点を体験させる上でも非常に重要であると思う。
 「京都理科市民会議21ニュース『Discover Life & Science』」の継続発行が提案されていますが,大変良い提案だと思います。できれば,理科を学習している小学校3〜6年生の生徒が読んでも「なるほどなぁ」「おもしろいなぁ」と思えるような理科ニュースみたいな記事がのっていたらいいなと思いました。(ふりがなつき)
 「『疑問には即答しなければならない』という義務感から開放される」という提言は,確かにそうだと思う。そのうえで,一緒に考えることができれば,子どもたちが“興味を持った”ことを放り投げずに,あたためて自分のものにするきっかけになると思う。ただ,大人が即座に詳しく答えても,そこから話は広がっていくものだし,興味がそこで終わってしまうことがないということも事実だと思う。
 子どもの興味,関心を「どう誘導し,発展させるか」ということは大事だが,まず大人こそが自然や科学技術に対していろいろな興味や関心を持ち続け,心を動かし,ワクワクドキドキして,それを外に出していくことが,そのまま自然に子どもたちへもつながっていくと思う。
 「子どもたちの疑問に即答するのではなく,一緒に考えることが大切」ということと同じように,大人に対しても,「大人自身がもっと自分のために理科を楽しむことも大切である」ことをあわせて強調しておくべきでないか。
 新しい現代にふさわしい「理科・科学」のあり方についての検討を行っている京都市市民会議と京都市関係者に大いなる敬意と拍手を送りたいと思います。
@ 理科離れ現象は,子どもに限ったことではなく,大人,国民すべての層に見られ,したがって子どもの理科離れのみを問題にしていては根本的な問題解決は不可能です。
A 特定のものを好きになる理由は様々な要素が関係し,好きになるときにはそれなりの理由があるはずです。それには,今まで経験したことのない未知との遭遇や新しさを感じさせる何かが必要なのではないでしょうか。
B 「本物に触れる機会をもつこと」も大切なことと思います。専門的な知識を有するインストラクターが常駐した良い科学館・博物館の役割が大変重要なのではないかと思います。
10
 いかに子どもを「理科好き」にするかということは,新たに「○○嫌い」を作り出すことになりかねない。理科をどう教えるかではなく,理科を通じて何を教えるかが重要。「木を見て,森を見る」バランス感覚が今,最も必要だ。
11
 理科だけに限らず,子どもたちに日々接する教師の質を高めることが重要で,そのための環境作りが大切。もっと教師に学習・創意・工夫をしようという意欲を持ってほしい。

12

 単に理科好きな子どもを育てるだけではなく,常に人間が自然の一員であるとの畏敬の念を持った倫理観のある子どもを育むことが大切であり,この倫理観が源流となるべきであると考える。
13
 理科が得意な子ども,不得意な子どもがあって当たり前。理科に興味を持った子どもにはそれを伸ばすべく,小学校から知識も教え方も専門的な教師が教えるべきである。
14
 中間報告の内容は,理科に限らない教育の原点であると考える。子どもたちに生じる興味・関心・不思議を発展させるには,学校と指導する教師の役割は大きいし,より良い人材の育成と指導しやすい環境づくりが不可欠である。親子でともに学ぶ場所として,身近で気軽にちょっとした時間でも楽しく体験し,子どもとのワクワクする気持ちを共有することができれば,そこからもっといろいろなことが広がっていくと思う。
15
 子どもの興味・関心を「学びへの意欲」に導き,子どもに自ら考えさせ,「生きるために必要な力」を身につけさせることは親の役目だと思う。「理科好きな子どもが育つ」ために親はどのように子どもに接したらよいのか。中間報告では,抽象的な表現でしか説明が無いので,具体例をあげて指し示していただきたい。
 身近なところに子どもが自ら学び,育つための場所を提供し,京都のすべての子どもたちに,理科市民会議の理念のもと,平等に「学習する機会」を与える方法を確立していただきたい。
16
 理科に関するイベントを開催する場合の施設・講師等を誰にでもわかるネットワークと,草の根的な活動をしているボランティア同士のネットワーク作りも大切である。
 SSHや「理科大好き校」では理科に関して,すばらしい取り組みがされている。そういった取り組みを他の学校へも波及するような仕組みがほしい。
 理科市民会議において,全国に先駆けた理科振興の基盤を作り上げていただきたい。
17
 今の子どもにかけている観察する力,物事を正確に捉える力を小学校低学年でつける必要がある。観察のポイントを的確に教えれば,子どもの興味は広がっていくように思う。
 理科だけでなく,他の教科との関係も考えることが大切である。図工などのように科学的視点ではないにしても,物をじっくり見ることは大切である。
 小学校までは理科が好きだったけど,中学生になると嫌いになってしまう子どもは少なくありません。教科担任制であり,個人差の出るところではあるが,ぜひ工夫していただきたい。
 京都市の中心部(JR二条駅前,統合校跡等)に科学センターのサテライト施設のようなものを作り,簡単な理科実験をしたり,科学的な読み物の本を常備し,専門のボランティアが本を選ぶアドバイスをするということができれば,とても楽しいと思う。
18
 理科離れの問題の所在や取り組みの必要性を京都市民,教育関係者に理解してもらう活動が重要。
 学校の管理職や教員に研修等を通じて,科学的素養を持ち,科学の面白さと重要性を認識してもらう恒常的な取り組みが必要。また,小中高理科教員への広範で積極的な働きかけと組織化や学校における教科「理科」への政策的援助が必要である。
 市民向けに科学講演会や科学s年ターの博物館的機能の充実,市内の大学その他の公開講座への援助も必要と考える。また,理科好きな女子を育てるための特別な配慮と高校生向けの取り組みも大切。
 様々な取り組みは,市内の私学に通う生徒やその教員も対象とし,当然包括的に網羅し,実施されるべきである。
 最後に,世界的にも誇るに足る青少年科学センターの博物館的機能の充実を望みます。
19
 子どもが小さい頃,ドロドロになってザリガニ取りをし,お土産に持ち帰ってきたり,野外活動の経験の中で,自然や環境を考え,天体観測で感動したことなどが思い出されました。これらの体験が子どもたちの「生き方」に大なり小なり影響しているものと考えます。
 このような「理科市民会議ニュース」が,もっと多くの市民の手に渡り,さらにたくさんの人々に理科の楽しさを知らせることができれば,それを手助けしてくれるボランティアもたくさん出てくるものと考えます。
20
○学校間の交流を図る。○実験や芸術の時間を十分にとる。○人間形成のための教育。○魅力ある教師の育成。○児童の基礎学力の向上。
21
 市販の立派な苗をポンと植えるよりも,小さくても自分が種子から育てた苗を花壇に移し変えるときのほうが,子どもたちの手つきも慎重になります。このような「自然を愛する心をもち,理科の好きな子」を学級から学年,そして学校全体に増やせたらと思います。
22
 本校では,天文台や総合学習館等を独自に設置し,子どもにとっての「学びと育ち」を支える教育環境・教育施設を創造してきた。理科市民会議が,理科好きな子ども,自然の不思議に感動できる子どもへの具体化が図られるよう期待します。
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 私自身,理科が苦手で子どもに教えるのは難しいですし,私のような親は結構いると思う。青少年科学センターへ中学生のときに行った折,プラネタリウムを見て感動した記憶があります。最近は利用する機会が少なくなっており,やはり施設の所在や利用法に関する情報をもっとPRしてもらえたらと思います。

 

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