21世紀の『理科』を考える京都市民会議>第6回会議要録


「21世紀の『理科』を考える京都市民会議」
第6回 会議要録

1.開催日時: 平成15年7月25日(金)午後2時〜4時
2.場   所: 京都市青少年科学センター 図書室
3.出席委員: 今福 道夫 委員(副座長), 瀬戸口 烈司 委員, 兼松信夫 委員, 山田 秀司 委員,
         廣瀬 佳治委員, 光井 正人 委員, 宇野 里枝 委員, 下岡 多佳子 委員, 河野 文彬 委員,
         阿古目 良子 委員, 白須   正 委員, 向井 宣夫 委員, 蔭山 薫 専門員(順不同)
     
  教育委員会: 永田 和弘 指導部担当部長

4.議事次第
    (1)開会
    (2)第5回会議の討議内容についての報告
    (3)理科教育等に対する意見交換
    (4)分科会設置の提案

(全体会議議事内容)

@ 第5回 会議録 : 席上配布
A これまでの会議内容についての説明
    第1回会議から前回の第5回会議までの主題別によるまとめについて,事務局から説明が行われた。
<説明内容要旨>
 これまで議論いただいた内容を大きな項目でくくると,「理科離れについて」「理科教育の現状と今後のあり方について」及び「理科好きな子供を育てる方策のあり方について」等が論議されており,理科離れという状態に関しては,本来子どもは何にでも興味・関心を持ち,学習する意欲は持っているが,生活体験を伴なわない知識のみの習得が理科離れを生じさせているのではないかというのが,多くの意見であった。
 理科教育の現状と今後のあり方についても,多くの意見が出され,生活体験の不足や自然への取り組み不足があげられ,学校はもとより家庭・地域の積極的なかかわりも提言された。理科好きな子どもの育成に関しては,大人が子どもを理科好きに育てるのではなく,子どもが自発的に理科好きに育つことを目指すことが重要であり,そのために学校はもとより,家庭や地域が何をなすべきなのか具体的に検討を進めるべきであるとの意見が多く出た。また,コンピュータに代表されるバーチャルな世界が実体験と混同されることの問題を克服すべきことも指摘された。
<これまで論議された具体的事業・施策等>
 会議を通じて,委員から具体的に提案された内容は,「主として理科・科学の振興に関するもの」,「学校・教員PTA等への働きかけに関するもの」,「子供向け事業の拡充に関するもの」,「青少年科学センターの事業の充実に関するもの」が示された。
 理科・科学の振興に関するものとしては,現在発行している21世紀の「理科」を考える京都市民会議ニュース<Discover Life & Science>の継続発行をはじめ,理科・科学に関する情報の提供をわかりやすい形で行うことが提案された。
 学校・教員・PTA等への働きかけに関しては,教員に対する情報提供の必要性や研修機会の重要性,生涯学習としての理科・科学の学習機会の提供などが提案された。
 子ども向けの事業に関しては,施設設備の拡充のほか,自然教室や自然観察を行うための環境整備なども提案された。
 青少年科学センターの事業の充実に関しては,展示品の類別化や系統化を図ることをはじめ,新聞等で報道される科学技術に関する解説等,情報提供の役割を充実するよう提案された。
B 21世紀の「理科」を考える京都市民会議で検討する「理科」についての説明
 前回までの論議の中で,「理科」についての具体的な共通認識が希薄であったため,再度この会議で取り上げる「理科」についての説明が事務局から提案された。
 「理科」という教科に関しては,明治19年に小学校令の教科名としてはじめて用いられ,純粋の自然科学を対象とする学問というより,生活の中に生かす応用科学的な側面が強調されたが,この会議で取り上げる「理科」は,もっと対象を広げ,自然科学についても含めた内容であることの確認が求められた。
C 分科会設置の提案及び説明
 分科会設置の提案内容・分科会名簿
 
T.分科会の設置
1.設置目的
 各委員の提言内容を具体化するため,子どもの立場からと子どもを取り巻く大人の立場から,論議を深める必要がある。また,京都市長の諮問に対する答申に向けた中間的な提言を行うため,諮問項目に沿った分科会を設ける必要がある。
2.分科会名
    [1]「理科好きな子どもが育つ環境づくり」部会
    [2]「生涯学習としての理科・科学の振興」部会
 
U.分科会で論議を予定する項目
[1]「理科好きな子どもが育つ環境づくり」部会
     @ 子どもに関する理科・科学振興一般方策
     A 学校・教員・PTA等への事業・施策
     B 子ども(幼児を含む)向けの理科・科学に関する具体的事業
     C 青少年科学センターの役割と整備・充実すべき事業・施策
 [2]「生涯学習としての理科・科学の振興」部会
     @ 生涯学習としての理科・科学振興一般方策
     A 高齢者・主婦等を含む一般市民への事業・施策
     B 青少年科学センターの役割と整備・充実すべき事業・施策
 
V.分科会名簿


 
 
 
[分科会議事内容]

[理科好きな子どもが育つ環境づくり] 部会

委 員:
中・高生を理科好きにするのは難しい。小学生も含むのでは。
委 員:
 小・中・高と区別するのではなく,小学生は本来理科好きと考える。小学生以前から考える必要があるのではないか。現在,植物園では行政(植物園)・先生・中学生が一体となって,事業をしている。
委 員:
小学校1・2年の段階で理科の好き嫌いが生まれる。
委 員:
私の立場では教員の資質向上が大事である。小学校の教員では理科の教員免許を持つ教員は少ない。小学校教員への理科に対する取り組みが大事。
委 員:
修学旅行生の受け入れを工業会で行っている。
委 員:
 恵まれた自然環境はあり,恵まれた多くの施設はあるが,下の人的環境が問題だろう。さすが京都の会議となる答申にするには,今までいろいろな努力はなされているが,うまく機能していないのが問題なのでは。その上でステップアップするには何をすればいいのかが議題であろう。地場産業の技術力の高いところに京大の力が加わって,発展がある。京都には歴史的な基礎力があり,そのうえにどうステップアップするかだ。
委 員:
理科に関しては教員の経験が乏しい。教員間にも格差が大きい。ビオトープ作りが広がっており,多くの学校に広めたい。
委 員:
小学校の理科の教員免許のない先生のほうが熱心に取り組んでおられる。ビオトープはあくまでミニチュアで,それに熱心な先生が異動されるとなくなってしまう。平安神宮は閉鎖されているので,自然が残っている。
委 員:
地域で応援しないと。花背は遠いし,行くまでにバスに酔ってしまう。
委 員:
ビオトープでは,チョウやトンボは来てほしいが蚊は困るというのはおかしい。
委 員:
ビオトープは,作って,生き物が増え,訪れる過程が見られるのがいい。
委 員:
論議の方向性が出てきたようなので,次回分科会で詰めていきたい。


    
 [生涯学習としての理科・科学の振興] 部会

委 員:
 市民会議発足の当初の目的は,子どもの理科離れ,理科の学力低下を何とかしたいということであった。その点を忘れずに大人への対策を考えなければならない。
委 員:
 その点でいけば,「生涯学習・・」というのは少しピントがはずれているように思う。
委 員:
 子どもの時分に経験した理科的な体験をもう一度してみたいという願望は大人になってもあると思う。そういう点で「生涯学習」となっていてもよいのでは。
委 員:
 子どもが育つ視点を欠いてはいけない。生活の中の自然を排除してきたのは社会構造としてであり,全体として,社会教育をテーマとすべきで,時間の余った人に学習を進めるということではない。
委 員:
 昔は地域コミュニティーによる教育が,子どものしつけを全体で受け持っていた。そのような組織作りが大事で,下鴨小学区・地域のような取り組みと連携してやっていく方策を考えてみてはどうか。
委 員:
 町内・地域の理科的な行事を支援する取り組みが大事である。(講師の派遣等)
委 員:
 地域・家庭にもって帰ることができるような事業・素材を考えていく。(科学センター学習とは違ったもの,経験できないもの。)
委 員:
 自然が大事である,農業・漁業も大事である。これらは日本ではまだ残されている。食べ物(第一次産業)も大事であり,これらを使った親子で体験できる事業も必要である。
委 員:
 机上の学習は,他の生活とかとはリンクしないし,積み上がっていかない。理科の学習を生活と関連づける必要がある。カリキュラム外の体験(米作り,シャボン玉遊び等)をする機会を意図的に作ってあげることが大事。

 

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