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【京都市青少年科学センター】

花背山の家で観測した「ブラックホール」

 ブラックホール,という言葉を聞いたことがありますか。

 太陽のような星”恒星(こうせい)”が終末をむかえる時,その星の質量(重さ)があまりに大きいと,そこからはもう何も出てこられなくなる,光さえも出てこられなくなる,そんな場所が「ブラックホール」です。宇宙にあいた底なしの穴なのです。

 質量(重さ)のある物同士は引き合う力を持っている,というのはニュートンの万有引力の法則ですね。ある限られた場所にとてつもない量の物が集まると,こういった場所ができるということは実は19世紀から予想されていました。

 これが想像上のものでなく,実際に観測され始めたのはX線天文学が始まった1970年代からです。但し,ブラックホールは黒い穴ですから,直接そのものを目でみることはできません。次の①~③のような場合,激しく変化する周りの様子から,確かにブラックホールがあるとされます。

① 「周りの物質が,激しく吸い込まれている」
② 「はるか遠くにある極めて明るい天体が,ごく短期間に点滅する」
③ 「目に見えない天体に,周りの星が激しく振り回されている」

次の写真は,花背山の家の先生方の協力で,市内の高校生が撮影した6200万光年彼方の天体の写真です。(1万光年というのは光が1年間に進む距離のことで,約 9.5 兆㎞)

 拡大してみれば左右に”ぼやけて”見えることがわかるように,これは1個の星からできている天体ではなく,何億個もの星が集まった”銀河”という天体です。そんな巨大な天体が,わずか5日後にとった写真で,かすかですが明るさが変化していたのです。

 光の速さで何万年もかかるほどの大きさを持った天体が,そんなに簡単に明るさをかえるはずがありません。それは激しく変動している部分が,極めて小さいことを意味しており,しかも6200万光年彼方でも観測できるほどの明るさを持っています。②の考え方で,ここにはブラックホールが存在すると考えられます。

 われわれの地球や太陽が属する銀河,すなわち銀河系の中心付近に複数個の天体がものすごい速さで回転している部分が発見され,③の考え方から,ここにもブラックホールが存在することがわかりました。

 どこに通じているかわからない,宇宙に開いた穴,本当に不思議な天体です。いつの日か人類はブラックホールを間近で観測する日がくるのでしょうか。

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