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【京都市青少年科学センター】

抜け殻のお話

 昆虫標本を作ろうと思ったら,生きた昆虫を捕まえなければいけません。でも虫の方だって捕まりたくないから必死で逃げます。 それに,せっかく捕まえたと思ったのに羽がボロボロだったり,傷がついていたりと昆虫に限らず,標本作りには苦労が絶えません。
「生き物の標本はちょっと難しいな…。」
 そんな人にお勧めの方法があります。
『抜け殻標本』です。
 抜け殻は逃げません。また,抜け殻は移動しないので,生きている本体に比べ,傷つくことが少なく,脱皮後に時間が経っても保存状態が良いままで見つけられることがあります。 昆虫以外の,標本やはく製に手間がかかるヘビやトカゲなども,簡単にできてしまいます。 そして,生体標本の場合,カツオブシムシやシミ,ヒョウホンムシなどに食われないように定期的に防虫剤の交換や虫干しをしなくてはいけませんが,抜け殻標本の場合,ヒョウホンムシ類の食害による被害にあまりあいません。
 また,命を無駄にしないで標本にできるという利点もあります。そして,羽化や脱皮の時期,場所を知っておけば,効率よく収集することができます。羽化の時期や羽化する場所などは,図鑑やインターネットで調べることができます。

 集める際には,テーマを持って収集するとそれなりの標本ができます。

『鱗翅目(チョウ・ガ)』

『ジャコウアゲハの幼虫の顔の抜け殻(お面)』

 チョウの幼虫の脱皮殻は柔らかいのですが,顔の部分だけは堅いのでお面のように形がそのまま残ります。 成長段階によって顔の大きさがおおよそ決まっているので,何齢幼虫か判断する材料にもなります。
 中には面白い幼虫がいて,リンゴコブガの幼虫は脱いだお面を頭の上に上手に積み上げていくそうです。

『アメリカザリガニ』

 抜け殻の採取できた日と場所を記録し,そこからその種の行動傾向を割り出すという自由研究のテーマにもなります。
 集めた標本は,プラスチックのケースなどに入れて,採取した日,場所,種の名前,採集者を記録して保管しましょう。 たまにカビが生えることもありますので,箱に乾燥剤を一緒に入れておいた方がよいでしょう。乾燥剤は100円ショップなどで売っています。
 ただし,プラスチックケースに防虫剤を入れると,プラスチックが劣化する恐れがあるので,気を付ける必要があります。

 「な~んだ,抜け殻か。」
 とがっかりせず,集めてみてはいかがでしょうか。
 きっと何か新しい不思議が見えてくると思います。




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