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【京都市青少年科学センター】

三葉虫とにらめっこ

図1 ファコプスを正面から見た図

 これはある生物の化石です(図1)。みなさんはこれが何かわかりますか?
 本などで紹介されるときには図2のように背中側から見た写真が使われていることが多いので,じっくりと正面から見ることは少ないのではないでしょうか。
図2 ファコプスを背中側から見た図

 背中から見て,たてにわかれた部分を葉(よう)といいます。この葉が3つあるので,「三葉虫(さんようちゅう)」という名前がつけられました。三葉虫は古生代(約5億4100年前~約2億5200万年前)を代表する生物の一つです。全世界の海に住んでいましたが,古生代の終わり(約2億5200万年前)に絶滅してしまったので,地層の年代を知ることができる示準化石として有名です。
 一口に三葉虫といっても姿形は様々で,小さいものは3 mmから大きなものは70 cm以上のものまで見つかっており,およそ10000種類もいたといわれています。
 この写真は科学センターに展示してあるファコプスという三葉虫です。はっきりとめだった頭鞍(とうあん※ヒトでいう眉間のこと)と両側に飛び出した眼が特徴です。
 眼をさらに拡大して見てみましょう。まるいドーム状の小さな眼がたくさん集まってできています。 一つ一つの小さな眼を個眼(こがん)といい,この個眼がたくさん集まってできた眼を複眼(ふくがん)といいます。身近な複眼の生物には昆虫がいます。昆虫の個眼は顕微鏡で拡大しなくては見えないほど小さいですが,この三葉虫は肉眼でもひとつひとつの個眼を観察することができます(図3)。

   
図3 ファコプスの複眼(左)と昆虫(ナガサキアゲハ)の複眼(右)

 三葉虫は初めて眼を持った生物であるといわれています。その眼は単純に明暗を感じていただけというわけではなく,きちんと像を結び,敵の接近がわかる高性能なつくりをしていたようです。
   三葉虫が見た古生代の海はどのような様子だったのでしょうか。ファコプスに会いに展示場に遊びに来てください。



参考文献
   近藤典生・吉田彰 著,『世界の三葉虫』,信山社


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