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【京都市青少年科学センター】

鍾乳洞のでき方

①石灰岩が溶ける

 まず,鍾乳洞ができる場所は石灰岩という岩石でできている場所に限られます。石灰岩とは,主に大昔の生物の殻など炭酸カルシウムが堆積してできた岩石のことです。海で堆積してできた石灰岩が地殻変動によって隆起してきた場所で鍾乳洞は形成されます。石灰岩は日本が国内で自給できる数少ない鉱物資源の一つです。主にセメントや生石灰・消石灰の材料に使われます。

 雨水は空気の二酸化炭素を溶かして酸性になります。
この雨水が石灰岩の土地に降ると,下の化学反応式のように石灰岩の主成分である炭酸カルシウムを溶かして(溶食)地下へ染み込んでいきます。

②地下水によって流れができ,砂利などにも削られ,空洞が大きくなる

 水は地下に染み込んでいくとき,土壌内の空気から二酸化炭素を取り込んでいきます。(地中の有機物をバクテリアが分解する際,酸素が使われ,代わりに二酸化炭素を吐き出すので,土壌に二酸化炭素が多く存在する)
 また,地下になればなるほど圧力がかかるので二酸化炭素が溶けやすくなります。このように地下水は地上の河川に比べて多くの二酸化炭素が溶けているので,より酸性になり,それに伴って石灰岩も溶け込んでいきます。(溶食)

 地表の水が石灰岩の節理や断層沿いに地中に染み込み,集まって地下に溜まる。その地下水が流れ,地下水脈になると,その周りの石灰岩を溶かしていくので空洞ができます。空洞が大きくなり連結して洞窟になり,より地下水脈の流量が多くなると,周りの砂利や砂も水流によって運ばれるので,さらに,その砂利や砂によって削られていきます。(侵食)


③水の流れが変化して,洞窟ができる。鍾乳石が発達する。
 地下水脈によって洞窟ができた状態で地殻変動によって土地が隆起するなどして,地下水脈がより深い層に移動します。今まで地下水が流れていたところに大きな洞窟ができます。この洞窟中で,天井から染み出してきた
炭酸カルシウムを多く含んだ水が,つらら石や石筍などのさまざまな鍾乳石を作り出します。


 鍾乳石がどうしてできるかというと…,大地の圧力がかかり,多くの二酸化炭素が溶けている地下水が,洞窟内に染み出ると,圧力から解き放たれて二酸化炭素が抜けます。ちょうど炭酸飲料の蓋を開けた時に二酸化炭素の泡が出るのと同じことが起こります。二酸化炭素が抜けると溶けていた炭酸カルシウムが析出してくるからなのです。

④そして崩落
 地表の溶食などによって天井が薄くなったり,洞口が大きくなったりすると,地表の土砂が洞窟内に流れ込んだり,天井や壁が崩落していったりして,鍾乳洞は崩壊していきます。








参考文献

・洞窟サイエンス編集委員会,子供の科学サイエンスブックどうしてできるか?なにが存在するのか?洞窟の不思議とそこに生息する生き物たち,誠文堂新光社,2009
・徳富一光,しょうにゅうどう探検,あかね書房,1980
・地学団体研究会『シリーズ・自然にチャレンジ』編集委員会,シリーズ・自然にチャレンジ6ぼくらの洞くつ探検,大月書店,1987


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