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【京都市青少年科学センター】

空港と風向

 ここに2枚の写真がありますが,どちらも展望ホールから,離陸していく飛行機を撮影したものです。 ちょうど反対の方向に離陸していくのがわかります。行き先が違うのでしょうか? 実は飛行機が離着陸する向きは行き先とは関係ありません。風向の違いによって向きを変えているのです。

 飛行機が飛ぶためにはある程度の速度が必要です。ここでいう速度は地表に対する速度ではなく,空気に対する速度つまり対気速度です。ですから,飛行機は離着陸とも風上に向かって滑走します。もし,風下に向かうと,離着陸する距離が長くなってしまいます。 滑走路の長さには限りがありますから,より安全な離着陸には風上に向かう必要があるわけです。

 空港や飛行場の滑走路にはランウェイ○○などの記号がつけられています。関西国際空港の場合は飛行機がよく見える北側はランウェイ24,反対の南側はランウェイ06といいます。大阪府にあるもう一つの空港,大阪国際空港の場合はランウェイ14とランウェイ32となります。同じ滑走路に向きによって2つの番号がつけられています。この番号は滑走路の方向を表しています。

 真北に向かう方向を36とし,時計回りに10°ごとに01,02・・・35というように表していきます。つまり1本の滑走路の両側に18違いの数字がつけられているわけです。

 この滑走路の向きを決めるのに数年にわたって風向の観測が行われます。そして年間を通して最も多く現れる風向に沿って滑走路が建設されるわけです。もちろん風向以外にも地形など空港建設にはさまざまな条件があるわけですが,風向が大きな条件になっています。
 滑走路の方向以外から風が吹いている場合はどうするのでしょうか。例えば滑走路の真横から風が吹いているとき,滑走路に対してまっすぐ飛行機を飛ばすと,風下に流されてしまいます。滑走路に着陸するためには当然滑走路の延長線上を飛行しなければなりません。
 その方法として,ふつう高度が高い時には,翼を水平にしたまま機首を風上側に向けて飛行します。これをカニの横ばいに見立てて「クラブをとる」といいます。しかし,着陸直前には飛行機の機首を滑走路に対してまっすぐにしないといけません。この時は翼を風上側に傾けて飛ぶスリップという飛行法に移り(これをデ・クラブといいます),機首を滑走路に対してまっすぐにして,風上側の車輪から接地し,着陸するという方法をとります。

 このように飛行機は着陸時に横風を受けると操縦が大変になります。したがって安全上,横風が強いときには着陸が制限されています。

 日本の空港では用地の関係上,滑走路が1本しかない空港が多いのですが,外国の主要空港では,通常使用する滑走路のほかに横風用の滑走路を設けている場合が多く,横風が強い状態での離着陸をしないですむようになっています。

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