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【京都市青少年科学センター】

カワゲラのこと

 写真は水槽で飼っている羽化前のオオヤマカワゲラの幼虫です。体長は4cmほどあり,石にしがみついています(金属製の棒は冷却用のパイプ)。2本の尾をもち,胸部は3つに分かれて見えます。この写真ではわかりにくいですが,足のつけねに綿毛のようなえらがあり,足の先には2本のつめがあるのがカワゲラ類の特徴です。同じ場所で見られるカゲロウ類にはつめが1本しかなく,えらも腹部の周囲についています。

 幼虫はさなぎにはならず,バッタやコオロギのように,このまま羽化して成虫になります(不完全変態)。したがって,成虫はチョウやその他の完全変態をする昆虫のように,著しく幼虫と形が異なることなく,幼虫にそのままはねがついたような感じです。

 オオヤマカワゲラは山あいの谷川とか渓流とよばれるところにすんでおり,流れが速く白い水しぶきが上がっている瀬の下の石をめくるとよくいます。これは水中に豊富な酸素が供給されているからと思われますが,生きたままもちかえるにはエアーポンプを用意しておいたほうがよいでしょう。あるいは水を入れずに,ぬれた枯葉といっしょに持ち帰るのがよいともいわれています。

 水槽に空気を送って飼っていても,しきりに腕立て伏せのようなことをしながら,えらをゆすっているのが見られます。流れのないところでは,じっとしていては十分酸素が供給されず,呼吸困難になるのでしょう。

 カワゲラの幼虫が生息するためには,水中の酸素が十分であることが必要ですし,逆にカワゲラがいれば,その川の水には酸素が多くとけこんでいて,きれいな川といえるでしょう。このことから,近年川の水質検査に水生生物を調査する方法がとりいれられています。

 これは川にすむいろいろな水生生物の種類から,水のよごれを調べようというもので,その基準となる生物を指標生物といっています。カワゲラはきれいな水(水質階級Ⅰ)の指標生物ですが,他にヘビトンボやヒラタカゲロウなどもきれいな水の指標生物にあげられています。

 カワゲラなど上流のきれいな水にしかすめない生物は,下流に流されないよう岩にしがみついているのですが,増水などによって流されてしまう場合もあります。したがって,羽化した成虫は産卵のため,できるだけ上流をめざして飛び立ちます。カワゲラやカゲロウの薄くよわよわしいはねでは,どこまで飛べるかなと心配にはなりますが…。 

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