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【京都市青少年科学センター】

「海水浴で見つかる昆虫」-海浜性昆虫を探そう-

海水浴なのに,昆虫の観察!?なんて,笑われてしまいそうですが,海岸だから見つかる昆虫もいるのです。
これらを海浜性昆虫と呼びますが,ハンミョウのなかまも例外ではありません。ハンミョウというと,山の昆虫と
思われるでしょうが,カカワラハンミョウ,ハラビロハンミョウなどの珍しい海浜性ハンミョウがいます。
鳥取砂丘のカワラハンミョウは有名で,現在でも観察できます。虹色のハンミョウも美しいですが,白地に
緑の斑紋は他に類をみない配色で,なかなか格好いい虫です。
なぜこのような色合いなのかは,砂の上で本種を見ると納得できます。目を離すと,砂地に溶け込んで
すぐに見失ってしまいます。山陰地方の海岸は美しい砂浜が多く,これらの珍しいハンミョウを発見できる
可能性は大きいでしょう。

 ハラビロハンミョウ         カワラハンミョウ

さて海水浴に行った夜にはぜひ,海沿いの外灯を見て歩いてください。灯火の下には,無数のコガネムシが
落ちています。2006年の夏,山陰地方の海岸沿いのコンビニで,シロスジコガネとオオコフキコガネがたくさん
落ちていました。触角が長いのが♂ですが,♀ばかり落ちているのが不思議でした。近縁種のコフキコガネは
やや内陸の灯火で採集できますが,オオコフキコガネは海岸線沿いの松林を主な生息地とする,代表的な
海浜性コガネムシです。



珍しい海浜性昆虫にオオヒョウタンゴミムシがいます。その大きさ,牙の彫刻は砂浜のクワガタ虫のようです。
京都府での記録は少なく,木津川の河川敷での古い記録があったと思います。山陰地方の海岸沿いで溝に落ちていた
本種をいくつか採集したことがありますが,今でもいるのでしょうか。体長30~40㎜にもなる日本最大の
海浜性甲虫で,砂浜海岸や広い河川敷に生息しています。肉食で小型の昆虫を餌とし,時にはトカゲを襲うことも
あるそうです。近縁種にヒョウタンゴミムシがいますが,こちらは,比較的容易に発見できます。夜行性ですが,
昼間でも倒木や大きな石の下に潜んでいることが多く,ひっくり返すと,素早く砂地に潜ろうとする個体に出会えます。



もう1つ簡単に観察できる昆虫を紹介しておきます。それは,ゴミムシダマシのなかまです。砂浜海岸には,特異な
ゴミムシダマシが生息しています。1991年,京都新聞社より出版された「京都の昆虫」にも記載されていますが,
丹後半島の海岸には,オオマルスナゴミムシダマシとオオスナゴミムシダマシの2種類のスナゴミムシダマシが
生息しています。京都市内の河川敷では,コスナゴミムシダマシが採集できるそうで,海浜性の種と河川性の種類が
いるようです。普段は,ほとんど気にかけない昆虫だと思われますので,海水浴に行った際は,ゴミムシダマシを
探してみてもおもしろいでしょう。漂流物をめくると,きっと見つかると思います。

参考文献
甲虫 黒沢良彦・渡辺泰明/解説 栗林慧/写真 山渓フィールドブックス
     京都の昆虫 京都昆虫研究会著 京都新聞社

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