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【京都市青少年科学センター】

ヒドラのハンティング

触手 触手

 ヒドラはクラゲやイソギンチャクの仲間で,刺胞(しほう)動物と呼ばれます。それは,細い糸のような触手(しょくしゅ)に,無数の毒針(刺胞)をもっているからです。この触手は自由に伸び縮みさせることができ,ミジンコを待ち受けるときは,写真のように最大限に伸ばしています。そして,ミジンコがこの触手に少しでもふれると動けなくなり,もはや離れることはできません。これは目には見えませんが,ミジンコの体が触れた瞬間に刺胞を発射し,毒液を注入しているのです。まったく見事な早わざです。

 そのあとゆっくりと触手を縮め,ミジンコを巻き込みながら口のところへもっていきます。口は触手の付け根の中心にあり,ゴムのように伸び縮みします。体全体も縦横にナイロンストッキングのように伸び,自分の体の5倍ぐらいあるものまでのみ込んでしまいます。ですからヒドラの体のサイズというのは不定であり,いくらであるとは表現できません。

 ミジンコをのみ込み,必要なものだけを吸収した後,不要なものはまた口から出して捨てます。つまり,肛門がないのです。このように食物を口から取り入れ,また口から出す動物を腔腸動物とよんでいます。先にあげたイソギンチャクや植物のように見えるサンゴもこの仲間です。

触手の間の丸い部分が口 触手の間の丸い部分が口
ミジンコを飲み込んだところ
ミジンコを飲み込んだところ

 ヒドラの群がっているところにミジンコを入れてみましょう。今まで静かに水の動きに体をまかせていたヒドラたちが一斉にざわめきます。ミジンコによる水のゆれか匂いかは分かりませんが,何かで気配を感じるのでしょう。それぞれ興奮して攻撃的になっている様子がうかがえます。すでにミジンコをとらえたヒドラは,触手を縮め,のみ込む体勢に入っています。中には数本の触手にミジンコをつけているものも見られます。しばらくすると,すべてのヒドラがミジンコを捕らえ,身体を丸くしています。ヒドラはこのように,またたく間に獲物をとらえる見事なハンターです。

えものを待つヒドラ
えものを待つヒドラ
ミジンコを入れると
ミジンコを入れると

 ヒドラはどのようにして増えるのでしょうか。写真をよく見るとヒドラの体の横から,また同じような形のものが出ているのが分かります。まるで植物が幹から枝をのばしているようですが,これが子供のヒドラで,やがて親からはなれ,一匹のヒドラになります。このように,子供のヒドラがわきから生えてくることを出芽とよんでいます。

 しかしいつも出芽で増えるわけではなく,環境によっては卵を産む場合があります。身体の表面が徐々に盛り上がり,やがて白いボールのようなものが体のわきにできてきます。これが卵なのですが餌を十分与えている限りあまり見られません。

ヒドラの出芽 ヒドラの出芽

 このようにヒドラの生態は見ていると面白いものですが,熱帯魚を飼っている人たちからは,ヒドラが発生すると稚魚を全部食べられてしまうため非常に恐れられています。

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