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【京都市青少年科学センター】

カブトムシの幼虫を育てよう

 カブトムシを飼ったことがある人は,たくさんいると思います。水槽(すいそう)を用意して,中に腐葉土を入れて,のぼったりかくれたりできるように木ぎれを用意し…というように準備をします。しかし,確実に卵を産ませようというのなら,もう一工夫必要です。というのは,メスは,やわらかい土とかたい土の境目に卵を産むという習性があるからです。そこで,下の図のようにした水槽を用意します。

 科学センターの「カブトムシの家」にも,これと同じようにした水槽が展示してありますが,最初に幼虫が見つかったところは,見事に腐葉土と黒土の境目でした。ただし,いつでも外から見えるところで産卵するとは限りませんし,幼虫は暗い所を好みます。では,どうすれば発見できるのでしょうか。

 成虫がいなくなったあと,水槽の土を注意深くほりおこしてみると,直径2~3㎜ぐらいの小さい白くて丸いものが目につくことがあります。これがカブトムシの卵です。

 10日ほどで卵がかえり,1齢幼虫になります。非常に小さいもので,よほど注意しないと見落としてしまいます。生まれた幼虫は,ひたすらまわりの腐葉土や堆肥を食べ,2回脱皮して,10月頃には3齢幼虫になります(「早く・・・でしょうか」)。そして,3齢幼虫で冬越しをして,次の年の5月頃には蛹室(ようしつ)という部屋を作ってその中で蛹になります。

 右の写真は,7月に見つかった幼虫です。そばに置いたものさしの目盛りを見ると,その小ささがよくわかると思います。ですから,成虫がいなくなってすぐに探したりすると,知らないうちに幼虫を傷つけて弱らせてしまう危険が大きいのです。

 自分で幼虫を育てようと思うなら,1~2ヶ月,暗く風通しのよいところに保管してから探すのがよいでしょう。そうすれば,2~3㎝ぐらいになっていて見つけやすいし,安全に採集することができます。幼虫を探すときには,新聞紙などの上でできるだけ薄く広げると探しやすくなります。

 飼育するときには,幼虫の数に気を付けましょう。1つの容器でたくさん飼うと,それだけふんの量も多くなりますので,その分,病気になりやすかったり,幼虫にとって有害なガスが発生しやすくなったりします。また,幼虫の体はやわらかいのにあごはするどく,堅いので,お互いに傷をつけあってしまうこともあります。場所に余裕があるならば,2リットルのペットボトルの上部を切ったものを用意し,1匹ずつ「個室」で飼うのもよいでしょう。成虫になるまでにおよそ4リットルの腐葉土を食べるともいいますから,途中で1度土かえをすれば成虫になるまで育てられるということになります。また,万一病気になったときにも他の幼虫への伝染を防ぐことができます。
 土の交換のめやすは,土の上に黒い粒状のふんが目立つようになったときです。ただし,5月頃以降は,蛹室を作っているかもしれないので,ふんを除いて土を足すだけにして,そっとしておきましょう。

 土の汚れ,病気の他にもカブトムシの幼虫には大敵があります。アリやダニです。アリなどが入らないように目の細かい網のふたをすることと,腐葉土を清潔にしなければなりません。電子レンジで加熱する方法もありますが,消毒済みの幼虫飼育用昆虫マットを買うという方法もあります。このように,ダニなどの害虫や病気に気を付けて,適度な水分を与えれば,来年の夏には,自分がはじめから育てたカブトムシの成虫を見ることができるでしょう。

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