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【京都市青少年科学センター】

岩石・鉱物・化石の採集

1.採集における注意事項

 岩石・鉱物・化石の採集にあたっては次のようなことに注意しましょう。

(1)出かける前の事前調査

 最近では採集できる場所がだんだん少なくなってきていますが,一般的には,岩石は川原で採集するのが比較的安全です。京都では,鴨川や桂川の川原でも多くの種類の岩石を採集することができます。化石については,露頭(ろとう)といって地層が露出している場所か,地層から崩れた転石が転がっている場所などになります。このような場所としては,山間部の小川や崖・海岸・道路の切り通し・工事現場などがあげられます。鉱物の産地は採石場や鉱山,山中などが多いです。
このように岩石・鉱物・化石の採集地は危険な場所が多いので,必ず大人の人と一緒に行くようにしてください。
具体的な採集地については,図書館や大きな書店などでガイドブックを探して,それを参考にしてください。

  • 地学団体研究会京都支部:京都五億年の旅,1976,法律文化社
  • 地学団体研究会京都支部:新・京都五億年の旅,1990,法律文化社
  • 地学団体研究会京都支部:京都地学ガイド,1978,法律文化社
  • 京都地学会編:京都地学図鑑,1993,京都新聞社
  • 地学のガイドシリーズ:コロナ社

(2)鉱山や採石場での採集

 採集にあたっては,必ず事務所などで許可を得ましょう。採石場では足場の悪いところや崩れやすいところがあったり,発破作業が行われるところもあります。自分自身が危険なだけではなく,事業所の方にも迷惑となりますので気をつけてください。何気なく積んであるものであっても,勝手に採集せず,どこから採集すればよいか聞いてから採集しましょう。また,勝手に坑道に入ることは絶対にしてはいけません。特に廃坑(はいこう)はいつ崩れるかわかりません。柵などがなくても,岩石・鉱物・化石が採集できるような場所は私有地であることが多いです。できる限り許可を得てから採集しましょう。

(3)国立公園・国定公園・天然記念物指定地域

 これらの場所は採集禁止です。また,これらの場所以外でも禁止された場所で採集してはいけません。

(4)危険・事故防止

 岩石・鉱物・化石の採集には多くの危険が伴います。採集に行くときは体調を万全にして,必ず大人の人といっしょに行くようにしてください。落石・転落などの事故は突然起こります。崖下や特にオーバーハングしているようなところなどに近づいてはいけません。そのほか,危険な場所での採集は絶対に避けてください。
採集道具を使う際も,けがには十分注意します。ハンマーを使うときには周りに人がいないかどうかも注意しましょう。ハンマーが人にあたったり,割ったかけらが飛び散って目に入る場合もあります。また,目の高さから上の岩石をハンマーでたたいてはいけません。突然の落石などの危険があります。

(5)産地を大切に

 鉱物や化石は長い年月を経てできたものです。一度なくなってしまうと,再び採集することができない貴重な財産です。ですから,採集した標本は大切にもって帰ってきちんと整理しましょう。 割った岩石のかけらの後片付けはきちんとします。また,他の産地の標本を捨ててはいけません。そのような最低限のマナーは守ってください。



2.採集に必要な道具・服装

(1)服装について

 鉱物や化石の産地は山中にあることが多いので,ハイキングに行くような服装が動きやすくていいでしょう。

  • はきなれた運動靴(足元の悪いところではゴム長靴が便利です。)
  • 手ぶくろ(軍手など)
  • 長袖シャツと長ズボン(虫刺されやすり傷の防止のため)
  • リュックサックやナップサック(鉱物・化石を入れるとかなり重くなります。なるべく丈夫なものを選びます。)
  • 帽子

(2)採集道具について

①必ず持っていくもの

  • ハンマー(岩石採集用の600g~1.2㎏くらいのもの)
  • 標本を包むもの(古新聞朝刊1日分程度。それ以外にティッシュペーパーやフィルムケース・ビニル袋などもあるとよい。)
  • 地図(国土地理院発行の25000分の1の地形図が適当です。事前に産地を記入しておいたり,歩いたルートを書き込む。)
  • フィールドノート(野外で使える丈夫なノート。産地のようすなどの記録用。)
  • ボールペンや鉛筆などの筆記用具。
  • 油性フェルトペン(標本に直接,または包んだ新聞紙に日付・標本番号などを書き込む。)
  • 雨具(カッパなどが防寒具にも使えて好都合)

②あれば便利なもの

  • たがね(丸たがね,平たがね各大小1本ずつ)
  • ルーペ(6~8倍程度の繰り出し式のものが使いやすいが虫眼鏡でもよい。)
  • ゴーグル(岩石のかけらやハンマーが欠けたときに目を守るためのもの。)
  • 方位磁針(地図上での位置の確認用)
  • 救急用品(けがをしたときの応急処置用)

3.岩石・鉱物採集の要領

 岩石は風化していない新鮮な面の多いものを採集しましょう。採集した岩石は風化・変色した面を取り除き形を整えます。標本の大きさは握りこぶし大くらいがよいでしょう。鉱物はなるべく結晶の形が整ったものを採集します。無理にその鉱物だけを採ろうとせずにまわりの岩石とともに大きめに採集します。ティッシュペーパー等でくるんでから新聞紙で包むと,結晶面に傷がついたり壊れたりしにくくなります。

4.化石採集の要領

 露頭では無理に化石だけを割り出そうとせず,化石を傷つけないように母岩(化石がついた岩)ごと大きく割り取るようにします。地層からだけでなく,付近に落ちている転石にも化石が入っていることがよくあります。また,化石は,層理面(そうりめん)にそってはいっていることがおおいので,ハンマーの先を使って層理面にそってはがすように割るとよく見つかります。転石から化石が出た場合,できればその転石がどの層のものなのか確かめておきます。川原で化石を見つけた場合,その付近ではなく,かなり上流に化石を産出する露頭が見つかる場合もあります。

5.標本の持ち帰り方

 採集が終わったら,採集地,産状や採集年月日,標本番号などをフィールドノートに書いておきましょう。また,地形図にも採集地点と標本番号を記入しておきます。番号の打ち方は独自のものでもかまいませんが,年月日を利用したものが後から標本の整理をするときにも便利です(例:010823-01・・・2001年8月23日に採集した1番目の標本)。標本番号は母岩に直接書き込みますが,標本の状態によっては新聞紙などの包装材に書いてもよいでしょう。

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