image


【京都市青少年科学センター】

たくましいクマムシ

クマムシの驚異的な生命力

クマムシは分類上,環形動物と節足動物の間に位置すると考えられていて,北極,南極,熱帯,深海,高山と,全地球上から広範囲に見つかっています。またその生息地は淡水圏や海水圏にまで広がっていて,標高6600メートルのヒマラヤ山中から,水深150メートルの海底まで採取された報告があり,現在世界で500種以上のクマムシがいると言われています。クマムシの仲間は,ゆっくり歩く姿から緩歩(かんぽ:ゆっくり歩くという意味)動物と言われます。ふつう4対8本の脚をもち,その先端についた鉤爪を植物などに引っかけながら歩きます。通常は植物の組織液などを吸っていますが,中には肉食の種もあるそうです。陸生のものはコケの中などのじめじめした環境を好みますが,晴天が続き乾燥しても体を縮めて「樽状(樽型)」とよばれるクリプトバイオシス(潜伏生命,乾眠)の状態で耐えます。この樽状でのクマムシの環境に対する耐性は驚異的で,乾燥には数十年,高温(100℃)低温(-270℃)にも長時間耐えるという報告もあります。また,アルコールなどの有機溶媒や紫外線,X線などの放射線,真空状態にもある程度耐え,水に戻すと歩き出すそうです。信じられない生命力ですね。世界中どこにでも住めるわけです。

クマムシの観察

道路の側壁についているコケを採集してきて,その中に住んでいるクマムシを観察してみました。クマムシをコケの中から取り出すのには,ベールマン法という方法を使います。まず,コケを細かくちぎって,底に小さな穴がたくさんあいている筒にいれます。それよりも少し口径の大きい,先が細くなっている筒に水を入れ,こけを入れた筒を浸します。こうしておくとコケの中の生き物が水中に泳ぎ出て,先の方に沈んでいきます。1時間ほどして先の方にたまった,沈殿物をスポイドで吸い取ります。顕微鏡の中のクマムシは,8本の脚をいそがしそうに動かしていました。なにかにつかまるのが好きなようなので,できるだけ,沈殿物がたくさんあるところを吸い取った方が,たくさんクマムシが見つかると思います。

« 一覧に戻る