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【京都市青少年科学センター】

京都の街でよく見られるセミ

夏休みのある一日,お寺の境内で,「ジージリジリジリ」とセミの鳴き声が聞こえてきました。この鳴き声は……。鳴き声のする方をよくさがしてみると…,み~つけた!

アブラゼミ

アブラゼミは,前ばねも後ろばねも茶色で,北海道の北部と東部を除く日本中に分布している最も普通に見られるセミです。しかし,外国では珍しい種類とされています。セミは世界で約2000種が知られていますが,はねに色がついているものは非常に少ないためです。
ところで,このアブラゼミをいくら見ていても,その姿から"油"を連想させるものは何も見当たらないのですが,どうしてこんな名前がついたのでしょう。 実は,「ジージリジリジリ」という鳴き声が油を熱したときの音を連想させるという理由からなのです。

クマゼミ

クマゼミは,日本で見られるセミの中では一番大きく,頭も胸も黒くて,はねが透き通っています。暖かい地方に多く,関東地方よりも西に広く分布しています。都市の公園など,明るく乾燥した環境を好むようです。「シャア,シャア,シャア,…」と,大きな声で午前中によく鳴きます。午後は食事の時間です。好きな樹液の木に集まって,いっせいに汁を吸い始めます。このように1日の行動がはっきり分かれているのがクマゼミの大きな特徴です。
ところで,クマゼミは午前中によく鳴くといいましたが,アブラゼミはどうなのでしょう。実は,セミの鳴く時間は,種類によってちがうのです。大きく分けると,午前中によく鳴くもの,午後によく鳴くもの,朝と夕方によく鳴くもの,そして1日中鳴いているものに分けられます。


クマゼミは午前中によく鳴き,アブラゼミは昼頃から午後にかけてよく鳴きます。朝と夕方によく鳴くのはヒグラシなど。終日鳴いているのはニイニイゼミなどです。

セミが鳴いている公園やお宮の森に行くとセミのぬけがらを目にすることがあります。ぬけがらはどれも同じような茶色であまり魅力的だとは思えませんが,意外にいろいろなことを教えてくれるのです。
セミのぬけがらからセミの種類を見わけることができます。





クマゼミ

クマゼミは,ぬけがらの腹がわに'おへそ'のようなでっぱりがあるのですぐに見わけることができます。
また,クマゼミの触角は普通8節で太く,毛はそんなに多くありません。


アブラゼミ

アブラゼミはちょっとむずかしいですが,ぬけがらの触角の部分を虫めがねで見て節の数で見わけられます。
アブラゼミの触角は普通7節で太く,毛がたくさん生えています。第3節が他の節よりも少し長いのも特徴です。



ぬけがらからオスかメスかもわかります。 腹先を見ると,オスの お腹の先はまるくふくらんでいますが,メスのほうには,細長いみ ぞのついた部分があります。 ぬけがらから,セミの種類だけでなく,オスとメスのちがいまでわかってしまいます。

さらに,ぬけがらがみつかると,セミの幼虫がそこの地面の下で生きていたことがわかります。セミの幼虫は,種類によって違いはありますが3,4年から6年の間,木の根から樹液をすって地下で生活しています。そして,終齢の幼虫になって羽化が近づくと,地上への出口となるたて穴を掘り準備をします。羽化の日,あたりが暗くなってきたら穴からはい出してきます。気に入った場所を見つけていよいよ羽化をむかえることになります。地面の所々に1cmほどの穴が見つかったら,それはセミの幼虫が地面の下から出てきた出口なのです。

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