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【京都市青少年科学センター】

「吹き玉」で遊ぼう!

準備する物

  • ドライヤー
  • ペットボトル
  • 発泡スチロール球
    (クラフトセンターやホームセンターで購入できます。ピンポン玉でも可。)
  • ビニールテープ
  • ハサミ
  • カッターナイフ
  • 軍手



作り方

①ふき出し口をつくる。

カッターナイフを使ってペットボトルを約半分に切ります。けがに注意して,軍手をつけて作業しましょう。小さい子は大人の人にしてもらいましょう。


②ふき出し口をセットします。

ドライヤーにペットボトルの上半分をセットします。
このとき,ペットボトルの切り口がドライヤーの口より大きいときはビニールテープを数回巻いて口の大きさを合わせましょう。

③出来上がり。

発泡スチロール球やピンポン玉を浮かせてみよう。

注意点:
ドライヤーは必ずCOLD(送風)で行いましょう。 HOT(温風)でこの実験を行うと,ペットボトルや発泡スチロール球が溶けてしまいます。



解説

 ドライヤーで風を送ると,風が球を下から上へと押し上げます。この風の力と球自身にかかる重力の力とがつりあうと,球は宙に浮きます。この時,少しぐらい球が左右に動いても,球は風の中から外れたりはしません。なぜでしょうか?

 同じような状況で,噴水にボールをのせた時のようすを考えてみましょう。下から上へと水が噴き出した水はボールに当たって,左右に分かれます。

 これはボールが,水に対して外側に力を加えた結果です。(黄色の矢印)
 力を加えると,そこには必ず向きが反対で同じ大きさの力がはたらきますので,(作用反作用の法則) 水がボールに対して内側に力を加えることになります。(赤色の矢印)
 この左右の赤色の矢印がつり合うことによって,ボールは噴水の上にとどまることになります。

 今回のドライヤーの実験は上の噴水の実験にあった作用反作用の力に加えて,「コアンダ効果」というものも考えなければなりません。「コアンダ効果」とは,空気などの流体が,物体に沿って流れの向きを変えるという性質のことです。
 水の場合は重力によって,水が下へ落ちてしまいますが,空気の場合は,物体を包み込むように流れていきます。
 左図では「コアンダ効果」によって空気に右向きの力(黄矢印)が加わります。
 作用反作用により,物体には左向きの力(赤矢印)が加わります。(流れの方向に垂直方向の力を揚力といいます。)この力によって写真のようにドライヤーを傾けてみても,発泡スチロール球は落ちません

 発泡スチロール球が落ちないわけは下の図に示しました。ドライヤーの代わりに,落ち葉などを吹き飛ばすためにつかうブロアーを使うと,よりダイナミックな実験ができます。

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