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【京都市青少年科学センター】

石けんで化学実験

 石けんは,古くから利用されている代表的な家庭用の化学製品です。石けんを利用した実験は比較的安全にでき,また,興味深い結果が得られます。

必要なものと実験準備

必要なもの

「固形石けん」 「酢」 「食塩」
「ガーゼ」「容器」「スプーン」「おろし金」「キッチンスケール」なども必要です。



石けん液の準備

固形石けんを,おろし金ですりおろします。少し古くて水分の減った石けんが細かく削り易く,簡単に水に溶けて石けん水ができます。 濃度は5%とします。5%とは,例えば「95gの水に5gの石けんを溶かす。」ということです。何度も実験できるように,少し多目に作った方がいいでしょう。5倍の量なら,「475gの水に25gの石けん(約1/4個)を溶かす。」ことになります。

例:500㎥のペットボトルに,上の量の水(ぬるま湯)と削った石けんを入れ,あまり泡立てないように徐々に溶かします。
注意:石けん水は,作ってすぐに用います。数時間で粘り気が出て,扱いにくくなります。


図2 固形石けんをすりおろす

図3 石けん液

食塩水の準備

 できるだけ濃い食塩水を作りますが,飽和しても26%程度にしかなりません。温度を上げても溶ける量はあまり変わりません。ペットボトルに水と食塩を入れて,よく振ります。底に溶け残りがあれば,上澄みが最も濃い食塩水になったということです。

酢の準備

 市販の酢を,そのまま用います。

実験

「石けん水」+「食塩」

 コップに入れた食塩水に,ほぼ同じ量の石けん水を注ぐと,どろっとした白い塊ができます。少し混ぜてからガーゼでろ過すると,無色透明なろ液が落ちてきます。ガーゼをやさしく押さえて無色透明な液を絞り出すと,白い物質が得られます。
 水に混ざっていた石けんが食塩水のはたらきで集り,塊になりました。これで手を洗うと,石けんであることがわかります。陰干しすると残った水分が蒸発し,元の固形石けんにもどります。
これは「塩析」と呼ばれる現象で,石けん作りの時,出来た石けんと不要な成分を分離するために利用されます。

・塩水に,ほぼ同じ量の石けん水を入れる。
・少し攪拌し,ガーゼでろ過する。


図4 食塩水+石けん水


図5 反応生成物

図6 ガーゼでろ過


「石けん水」+「酢」

 コップに入れた酢に,ほぼ同じ量の石けん水を注ぎます。どろっとした白い塊ができますが,食塩水ときよりも固めで量が少ないという違いがあります。食塩水のときと同じようにガーゼ(二重がよい)でろ過すると,白い塊が得られます。
 手を洗うと油のようにべっとりと付き,水をはじきます。また,全く泡立ちません。これは,アルカリ性の石けんが酸性の酢によって中和し,「脂肪酸」という物質ができたからです。
 脂肪酸とグリセリンが化合したものが油(油脂)です。石けんは,油と強いアルカリ性物質を反応させて作ります。

・酢に,ほぼ同じ量の石けん水を入れる。
・少し攪拌し,ガーゼでろ過する。


図7 食塩水+石けん水


図8 反応生成物

図9 ガーゼでろ過


得られた反応生成物

 食塩水も酢のときも,できたものはどちらも白色で,見た目はよく似ています。しかし,手触りは全く違うので驚かされます。また,ほぼ同じ量の石けん水を用いたにもかかわらず,得られた量が大きく異なります。これは,水を含むことができるかできないかの違いです。

・左:食塩水を用いたとき
・右:酢を用いたとき



図10 反応生成物の比較

備考

 石けんと身近な物質を混ぜるだけで,興味深い反応がみられます。そして,石けんの性質や製造方法を考えるきっかけともなります。反応してできる物質は危険なものではなく,台所の実験としておすすめです。食塩水や酢以外の物質でも試してみましょう。

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