サイド・オマール氏
サイド・オマール氏はマレーシアの王族であり,太平洋戦争中に南方特別留学生として広島文理大学(現在の広島大学)で日本の教育を受けていた。1945年8月6日,興南寮(留学生の寮)にいたオマール氏は被爆し,重度のやけどをおいながらも苦しんでいる人たちの救助を行った。 戦争が終わり,帰国するため東京に向かっていたが,体の状態がひどくなり京都大学付属病院に入院する。担当の浜島医師の懸命な治療も及ばず,なくなられる。現在は京都市左京区一乗寺にある圓光寺に安らかに眠っている。