12/4「京都新聞」(夕刊)

[報告]                                                   学校歴史博物館

 元成徳小学校の講堂および玄関(京都市最古の学校建築物)が城陽市の寺院本堂として移築され,現在まで使われてきました。
 元成徳小学校(明治2年9月に「下京第9番組小学校」として創設)は,明治9年1月室町通り綾小路南入る白楽天町に移転し校舎が新築されました。その後,明治42年7月まで使用されていた講堂が同年10月に城陽市の寺院に売却され,現在まで本堂として活用されてきました。
 このたび,寺院より成徳中学校に「老朽化に伴い雨漏りがひどくなり,耐震構造上の問題からも建て替えが決定した」との連絡がありましたので,京都府立大学大場修教授に調査を依頼した結果,明治8年に建築された,現存する京都市最古の学校建築物であることが確認されました。
 このため,寺院側でも「残せるものなら玄関をそのまま活用できないか」と検討をされていますが,瓦などの大半の材料がそのまま使用できないことや,費用が新たに1000万円以上必要になるなどの問題が判明してきており,寺院総代会議で11月中に最終結論が出される予定です。

1.寺院の名称
  顕照山 高岳寺(城陽市寺田)

2.移転経過など
 (1)明治42年7月からの成徳小学校の改築に伴い,講堂および玄関が明治42年10月に
    1200円で売却された。内部を寺院本堂として改修し現在まで使用されている。
 (2)本堂の屋根瓦には,建築当時の学校名であった「楽天」と記されている。
 (3)玄関は,先の細くなった円柱(ローマ風)やアーチ風の屋根瓦など,当時の擬洋風の
    様式が取り入れられており,正面の瓦には「成徳」と記されている。


↑寺院正面の玄関と本堂            本堂に「楽天」玄関に「成徳」の瓦が
                            据え付けられている。楽天校は短期
                            間で終わり明治9年1月に成徳校と
                            命名された。

↑正面玄関に「成徳」の瓦。          ↑円柱の上部が細くなっている。      ↑明治42年移転に伴う上棟札
屋根瓦のカーブに特徴がある。
左右の柱はローマ風の円柱。



学校歴史博物館より
12/5「朝日新聞」(夕刊)

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