4)これからの評価方法はどのようになるのか。
○生徒の学習状況の評価の方法については,3つの種類があります。
@ 集団に準拠した評価(いわゆる相対評価) A 目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価) B 個人に準拠した評価(いわゆる個人内評価) |
(ア)「集団に準拠した評価」から「目標に準拠した評価」に変わりました。
平成3年の改訂による旧来の指導要録において,目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)である観点別学習状況の評価を基本とすることとし,目標に準拠した評価への転換を図りました。
それを受けて,今回,旧来の考え方を更に発展させ,評定についても目標に準拠した評価に改め,学習指導要領に示す目標が実現されたかどうかを客観的に評価していくこととなりました。その理由は,教育課程審議会答申によれば,次の通りです。
第1に,自ら学び,自ら考え,よりよく問題を解決する資質や能力などの評価を重視することが必要であり,生徒一人一人の進歩の状況や教科の目標の実現状況を的確に把握し,学習指導の改善に生かすことが一層重要ですが,そのためには,目標に準拠した評価が適当であること。
第2に,学習指導要領に示す内容を確実に習得したかどうかの評価を一層徹底することが必要であり,そのためには,目標に準拠した評価が適当であること。
(イ)従来どおり,「観点別学習状況の評価」を基本とします。
新学習指導要領においても,目標に準拠した評価である観点別学習状況の評価を基本とし,旧来の4つの観点により,実現の状況を3段階で評価することを基本的に維持します。
そして,4つの観点の総和を評定として,5段階で評価します。
(ウ)「関心・意欲・態度」の観点を積極的に評価します。
この観点は,本来,それぞれの教科の学習内容や学習対象に対して関心を持ち,進んでそれらを調べようとしたり,学んだことを生活に生かそうとしたりする資質や能力を評価するための観点です。
「関心・意欲・態度」の観点の評価に当たっては,例えば,態度や行動,発言内容の観察による評価,作品の評価,児童生徒の自己評価や相互評価,予習・復習の状況の評価など多様な評価方法により継続的・総合的に行います。
(エ)「指導の結果」だけでなく「指導の過程」も重視します。
新学習指導要領では,「指導の結果だけではなく,指導の過程における生徒の学習に対する努力や意欲などを評価し,生徒の学習意欲の向上に生かすようにすることが大切」であるとして,いわゆる「指導と評価の一体化」ということが強調されています。
(オ)「指導と評価の一体化」を目指します。
教育課程審議会答申によれば,指導と評価とは別物ではなく,評価の結果によって後の指導を改善し,さらに新しい指導の成果を再度評価するという,指導に生かす評価を充実させることが重要です。(いわゆる指導と評価の一体化)
そのため,第1に,評価を,学習や指導の改善に役立たせる観点から,総括的な評価のみではなく,分析的な評価,記述的な評価を工夫すること。
第2に,評価を行う場面としては,学習後のみならず,学習の前や学習の過程における評価を工夫すること。
第3に,評価の時期としては,学期末や学年末だけでなく,目的に応じ,単元ごと,時間ごとなどにおける評価を工夫すること。
第4に,具体的な評価の方法としては,ペーパーテストの他,観察,面接,質問紙,作品,ノート,レポート等を用い,その選択・組み合わせを工夫すること。
などが明記されています。
目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)は, 目標の実現状況を見る評価方法です。 |
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@ 目標の実現状況に合わせて,生徒一人一人に具体的 な事後指導(繰り返し指導)が展開できます。 A そしてすべての生徒に確かな学力が身に付くよう 指導をすすめます。 |