学校長からのお便り 

新年 明けましておめでとうございます。

 

 今年もよろしくお願いいたします。

 最近,漢字ブームではないかと思うことがよくあります。
書店の平積みをざっと見渡していくと,漢字に関する出版物の多いこと。ゴールデンアワーの番組でも,漢字の読み書きを問う出題形式のものが,毎週のように放映されています。本校でも漢字検定を実施しているのですが,これに参加する学校も,受検者も年々伸び続けているらしいと聞きます。
 私自身も漢字好きで,その種の書籍をよく購入しますし,いわゆる漢字に関するセミナーにも通うことがあります。

 こんなブームとも読んでいいくらいの状況の中にも関わらず,子どもたちは漢字の学習となると,億劫になりがち。
我々の子どもの頃からそうだった様に,文字を習得するのには,根気と労力,そして努力が必要です。また漢字をしっかりと習得するには,日頃の生活の中で実際に使うことがさらに大切です。身近で見聞きした言葉(漢字)は,音声とともに頭の中に徐々に蓄積されていきます。字体と読み,そして意味が一致し,そして生活の中で使えるようになったときに習得したといえるはず。子どもたちにはこの漢字が一つの記号としか,あるいは表象化された図形にしか見えないのかもしれません。
 記号・図形・デザインに含まれている事柄・表象・意味・思想などを想像し解釈できる思考力も大切でしょう。子どもたちを取り巻く環境,とくに身近にいる大人たちが日本語である漢字を大切に使い続けることがますます必要になってるでしょう。

 さて,例年,12月に発表される日本漢字能力検定協会による日本の“今年の漢字”には「変」が選ばれました。 

その理由は,▽株価急落と円高などによる金融危機▽「食の安全」に対する意識変化▽日本の首相と米大統領の交代,自然災害・政治混迷などいままで経験したことのない「変」な出来事が多く発生した年であったこと だそうです。

 実は,あるブログでも今年を象徴する漢字を選ぶイベントが行われていました。「Word of the Year’08」と銘打たれたイベントですが,そこでも今年の世相を象徴する漢字に「変」が選ばれていました。
 
 ところで,変の意味は,辞書を引くと次のようになっています。

  1.かわる,かえる。
  2.あらためる,うつりかわる。
  3.みだれる,おとろえる,もとる,そむく,やぶる。
  4.わざわい,あだ。
  5.もののけ,ふしぎ,あやし。
       (字通 平凡社 白川静著より引用)

と,すると昨年(2008年)選ばれた「変」は3.4.5にあげられている「みだれる,おとろえる,わざわい,ふしぎ」だととらえることができます。では,1.2は。それを新年に引きつぎたいと思います。

 新年(2009年)こそよりよい年になるように,「1.かえる,2.あらためる」年になるように願いたいし,努力もしたい。「変化」「チェンジ」するために,させるために,“自分のため,そして人のために汗する年”にしたいものです。
 
 今年も,音羽教育伸展のために,ご協力・ご援助賜りますようにお願いいたします。



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