音羽の自然と歴史その15

四ノ宮駅近くの「道祖神塚」(どうそじんづか)」

      

四ノ宮駅の近くに「道祖神塚」(どうそじんづか)」らしいと言われるお地蔵さんがあるのを知っていますか?四ノ宮駅前から旧三条通を越えて貸しビル横を東側に入った所に,地蔵とも道祖神とも見分けのつかない石仏の塚があります。『やましな盆地』(山科老人クラブ)
では,これを,人康親王山荘周辺が「オサイボウ」と呼ばれていたことから,「お宰坊」=「サイの神(道祖神)の宿坊(屋敷)」であったと推測しています。「道祖神」とは,峠や辻・村境などの道端にあって悪霊や疫病などを防ぐ神とされ,丸石・陰陽石・男女2体の石像などを神体とすることが多いと言われます。障(さえ,さい)の神,手向(たむ)けの神,道陸神(どうろくじん)なども同じ意味です。京都や山科にはこのような石仏がたくさん見られます。音羽や四ノ宮では近くの山に「行者場(ぎょうじゃば)」があったこともあり,昔は山や田畑などで「お地蔵さんを掘り当てた」ということもよくあったようです。また旧三条街道と小関越の道(旧奈良街道)との交差点は,そうした神仏などが置かれるほど重要な場所でした。


(記事 S.A)