小野郷の環境教育

小野郷地域の環境や自然を大切にする取り組みについて

  (1)タンポポの分布を調べて

春の訪れの遅い小野郷にもようやく、桜が蕾をつけはじめました。タンポポ調査は新入生が行いました。一年生は4月下旬から5月初めに開花しているタンポポの数を調べました。目的は、日本古来からの在来種であるカンサイタンポポと外国から渡ってきた帰化種であるセイヨウタンポポの数を調査して環境状況を知ることです。みんなの調査結果を集計するうちに、セイヨウタンポポは道路沿いなど人通りの多い所に、カンサイタンポポは静かな自然の多い所に生えることがわかりました。校区のタンポポの8割以上がカンサイタンポポです。これは、小野郷地域や大森地域には自然が多く残っていることの証拠です。この調査結果は文化祭で小学生や地域の人たちの前で発表されました。                                                                                                     

   


(2)ごみゼロ活動  
5月30日の「ごみゼロの日」に中学校のみんなで取り組める美化活動を生活・環境委員会で話し合い計画しました。その計画の目的は、大森街道でごみを拾い道を通る人に気持ちよく通ってもらうためです。 大森方面から学校に向かってごみを拾う班と学校から大森方面に向かってごみを拾う班という2つの班に全校生徒を分けました。そして、2つの班が合流したところで、大森街道のごみ拾いは終了です 。ごみ拾いでは、燃えるごみと燃えないごみに分けてごみを拾いました。色々なゴミがありました。空き缶・空きびん・タバコの殻などや自動車のバッテリーなどよくこれだけ落ちているなと驚きました。集めたごみを出張所まで持って行き、道具を返し終えるととてもすがすがしい気持ちになりました。と同時に私たちもごみをポイ捨てをしないようにと思いました。

 空き缶を捨てないでください。


(3)「栽培活動」の取り組み
身近な自然環境を見つめ、大切にしていこうという一環の取り組みとして、小・中合同の栽培活動をおこなってきています。私達の学校を花いっぱいにして美しくしよう。そして、育てた花を地域の公共施設に提供しよう。というのが、この栽培活動のねらいです。 今年8月に全国高等学校総合体育大会が、京都で行われましたが、その競技会場や練習会場を飾る草花のプランタ−栽培もおこなってきました。5月2日にマリ−ゴ−ルド、コリウス、サルビア、メランポデュウム、ビンカを6月1日には、朝顔のたねまきをして、各々ビニルポットに鉢上げをした後、6月11日に、マリ−ゴ−ルド、7月4日に朝顔、7月8日にコリウスをプランタ−に植え込みました。私達中学3年生が、リ−ダ−となり下級生及び小学生に説明し教えるかたちで取り組みました。真夏の水やりは、予想以上に大変でしたが、学校が、花でいっぱいになり美しい環境になりました。また、地域の郵便局、区役所出張所、農協の玄関にプランタ−を飾り地域の人々にも喜んでいただきました。植物は、とても正直です。手を抜けば枯れてしまいます。可愛がって世話をすれば、どんどん大きくなって美しい花を次々と咲きつづけます。私達は、この栽培活動を通して、植物や自然の生き物のに対して今まで以上に関心が高まってきたと思います。これからもこのような活動を通して、植物や自然を大切にしようという心を養っていきたいと思います。                              

いもの苗をみんなで植えています。

      

                                小中合同で植えた花がきれいに咲きました。                        


(4)酸性雨
ドイツでは、酸性雨の影響で森林が枯れるなどを耳にしました。そこで私達小野郷校区 で降る雨が酸性雨かどうかを調べる事を、2学期から1ケ月ごとに各学年が順番に測定しています。測定途中の、9〜10月ですが、pH値が5.6以下で導電率が高い酸性雨と呼ばれる
雨はまだ観測されていません。
参考に、酸性雨とは、大気中に放出された亜硫酸ガスなどが雨に溶けて酸性にするのです。pH値が(7)が中性で、それより低いと酸性です。普通、雨は降る時大気中の二酸化炭素が少し溶けてpH5.6近くで無機物イオンを少し含み導電率が30以下です。酸性雨とは、pH値5.6未満、導電率が30以上の雨をさします。
昨年の2月では、pH3.9,導電率180という雨がありました。これから冬になる と酸性雨を観測する可能性があります。ですから本校でも酸性雨の測定を継続し、酸性雨に関する対策を考えていきたいと思います。
小野郷地域は北山杉の産地です。杉の深い緑に囲まれた山間に学校があります。ヨーロ ッパの酸性雨の被害を学習したとき、果たしてここにも同じ現象が表れるのだろうかと心配になりました。そこで、酸性雨の測定を自分たちですることにしたのです。従来あった生活委員会を、生活環境委員会と名称を変えて、新しい活動をつくることにしました。酸性雨の測定はまず委員会が実施して手本を示し、その後全クラス日直当番が測定し記録しています。現状はPH6.9くらいですが、冬雪になる頃3.5を記録したこともまれにですがあるのです。                 

(5)水質検査
学校のそばを流れる清滝川にアマゴ・アユなど渓流を好む魚がいます。二年生はこの川がこれらの魚にとって生活するのに適しているかを調べることにしました。9月21日に本校校区6ケ所採水したものを翌日に水質検査しました。 その結果、校区内での清滝川の水は平均1〜2mg/lで、汚れてませんでした。生活排水などで汚れるとCODは10以上になります。 アマゴなどが生活しやすいCODとは2mg/l前後です。そういったことから考えると日頃から地域の人達が排水に気をつかい定期的な川の清掃活動をしているからだと思います。私達もこの汚れていない清滝川をこれからも大切にしなければと思います。                

(6)北山杉不良材利用
小野郷は北山杉の産地であることは先程ふれましたが、中でも磨き丸太が有名です。これは和室の床の間の柱に使われる高級な丸太です。それだけに、丸太の品質検査が厳しく少し傷があれば不良材となり商品の価値がなくなってしまいます。学校はこの不良材の寄贈を地域の方から受けました。技術科や美術科の実習教材として利用しています。1年生は、プランターいれを制作しました。直接土を入れてプランターとしても利用できます。
何となく暖かみがあり、外観も美しいです。プランターの寿命ものびます。学校でみんなが栽培した草花を入れ、農協や郵便局、区役所の支所などに持っていきます。また、3年生男子はベンチやいすの試作にも挑戦しました。ベンチはバス停に置いて多くの人々に利用して頂きたいと考えています。もともと杭ぐらいに加工されてその一生を終わっていた不良材です。新
しい命を吹き込んだ気持ちになりました。



(7)廃油石鹸作り
二年生は廃油石鹸作りに取り組みました。毎年二年生は授業の中で、給食の廃油を利用して石鹸を作り、校内での手洗いに使用しています。今年は今までとはちがったプリン状の洗剤作りに取り組みました。 学習の中で100tの天ぷら油が、魚の住めるぎりぎりの水質にもどるためには、何と家庭用風呂桶70杯分もの水を必要とする、ということを知りました。これは、醤油や牛乳の数倍から十数倍にもなる量です。学校の正面を流れる清滝川の汚れが、心配になります。プリン状の洗剤作りは、固形よりも少し手間はかかりますが、捨ててしまう廃油が利用でき、尚かつ水の中で分解しやすい、川にやさしい洗剤が作れるので、一石二鳥です。
二年生は、春に地域でつんだヨモギを入れたりして、色やにおいをよくする工夫もしてみました。文化祭では保護者の人に持って帰ってもらい、今、使ってもらった感想を聞くのを楽しみにしているところです。

 

なもなく石鹸ができあがります。

 


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