室町学区の史蹟案内

大 聖 寺

たいしょうじ
烏丸通上立売上ル 御所八幡町

 烏丸通今出川の交差点を北に歩くとすぐ西側に通に面して大聖寺があります。
このお寺の敷地は、室町御所(花御所・室町幕府)の中にあった岡松殿が始まり
だと言われています。現在も岡松町という町名は残っています。
 「御寺御所と呼ばれる大聖寺は、岳松山と号する臨済宗の尼門跡です。
無相円尼のため、足利将軍義満が室町第に岡松殿を建てますが、その没後、寺
に改めたのにはじまります。その一方、大聖寺は、無外如大(むげにょだい)を
開祖とする景愛寺の伝統も受け継いでいます。創建以来、兵火に遭い転々とし
ましたが、元禄10年(1697)に岡松殿址の現在地に戻りました。その時に、
明正天皇の河原御殿の資材を移して造られた枯山水の庭園は、名勝として京都
市指定文化財となっています。
 重要文化財としては、弘安4年(1281)自賛の一翁院豪画像と、同9年の無外
如大自筆の譲状があり、歴代尼門跡遺愛の雛人形など、皇室にまつわる什宝が
伝わっています。
 上京文化振興会発行「上京区の史蹟百選」より転載(転載承認済)