朝会での校長講話から 「おじいさんのハナショウブ」 いま、玄関の階段のところに紫色や薄紫色のきれいな花が咲いてます。この花についてお話します。 花の名前は、「ハナショウブ」と言います。このハナショウブは学校の近くに住んでおられる安田さんにいただきました。 4年前のある日、安田さんのおばあさんが、学校に来て、先生に「今まで、おじいさんが大事に育ててきたハナショウブがあるのですが、おじいさんが亡くなったので、お世話するのができなくなりました。学校で育ててくださいませんか」といって学校にこられたのです。 それで、先生は、「喜んでいただきます。大切に育てます。」といって、20個ほどの植木鉢に植えられたハナショウブをあずかって育ててきました。 おじいさんが、長い間、自分の子どものように大事に育ててきた花ですから、おじいさんの思い出がいっぱい詰まった花です。おばあさんは、ハナショウブを学校に持ってきた後も、地域の会合で学校にこられた時など、玄関前のプールの中に置いてあるハナショウブを心配そうに見ておられました。 それだけに、先生もおじいさんのハナショウブをからさないように注意して育ててきました。それから今年で4年目、今年もたくさんの花を咲かせています。 5月の終わりごろ、花のつぼみがでてきたときには、ほっとしました。 花のつぼみが出てきたので、プールの中に入っていた植木鉢を玄関の階段に並べました。すると、先週の夕方、おばあさんが、植木鉢の草取りをされていたのです。心の中で、今年もきれいに咲いてねと語りかけながら、花の世話をされていたと思います。そして、おじいさんのことも思い出されていたと思います。 先生も一緒に、草取りを手伝いながら、話をしてわかったことですが、安田さんは、冬の間、肥料が足りているかなと、学校にきて、肥料をやってくださったそうです。そして、その方法を聞いてびっくりしました。 なぜかというと、植木鉢はプールの中においてありましたから、プールの金網があって簡単にはやれません。それで、紙を丸めて、パイプのようにして、ころころと転がして肥料をやったそうです。 そんなお話をきいて先生は、安田さんが花のことを心配されている気持ちにとても感心してしまいました。そして、肥料をきちんとやっていなかったことを反省しました。 そんなおばあさんの気持ちが通じて、今年もきれいな花が咲いています。 皆さんも、おばあさんの気持ちを考えながら、玄関のハナショウブの花を見てください。 (平成13年6月4日・朝会での校長講話から抜粋) |
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上の写真:平成14年5月25日撮影 | |
写真:平成14年5月30日撮影・室町小学校 |
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写真:平成14年6月3日撮影・午前9時 室町小学校 |