室町学区の史蹟紹介

猿田彦神社

さるたひこじんじゃ
上御霊前通烏丸東入ル 上御霊前町

 烏丸通上御霊前の交差点から東に入るとすぐ右手(南側)に小さな社があります。これが猿田彦神社です。
 両側を民家にはさまれ小さな敷地の社です。この通りを東に向かって歩くと、正面に上御霊神社の鳥居が見えます。
 「上御霊神社の手前にある猿田彦神社は、今では小社となっていますが、かつては広大な境内で、将軍家より神事料として小山郷柏木田が寄進されていました。応仁の乱以後も度々火災に遭い、現在の地に移されたのは寛政5年(1793)のことです。
 桓武天皇はこの神の託宣によって平安遷都を決意され、延暦12年(793)勅願によって社殿を造営されたと伝えています。永徳3年(1383)の造営には勅使が差遣され、足利将軍義満も奉幣し、御神楽が奉納されました。
 祭神は猿田彦大神と天孫降臨の途上相対して霊力を競い合った天鈿女命(あめのうずめのみこと)のニ座で、皇居造営にあたっては、この社の土でもって地鎮の神事を執り行われていました。」
上京文化振興会発行「上京の史蹟百選」より転載(転載承認済)