室町校の特色

郷土資料室2

郷土資料室の資料(西陣織の資材・道具類)

 郷土資料室には、西陣織にかかわる様々な道具・資材が収集されています。
 まず、糸から始めましょう。横糸となる糸は、白い糸から様々な色に染められます。
 糸の中には下のように金糸や銀糸もあります。横糸と一緒に織り込んでいく金糸もあります。
右側の金色の紙のようなものは、1本づつ横糸として織り込んでいきます。
 これはクジャクの羽根です。糸の中には、クジャクの羽根などをよりこんだ特殊な糸もあります。
 染められた糸は、糸巻機(ぜんまいという動力式のものもある)で木枠に巻き取られます。
 木枠に巻き取られた糸です。こうのように並べられても大変に美しいものです。
 次に、木枠に巻かれた糸を管(くだ)という小さな糸巻に巻いていきます。
 次に管に巻かれた糸がひに取り付けられて、横糸となります。一度にたくさんは巻けま
せんの織物を織っていく中で何度も管を取り替えます。二色の糸をを同時に使うと、また違った
風合いの織物となっていきます。
 次は、経糸(たていと)です。経糸はこのような状態で納品されます。経糸は専門の職人さんの
手によって調製されますが、織物の種類によって、その幅や糸数などさまざまです。
 経糸は、まず、何枚もの「そうこう枠」の1本1本通されます。この「そうこう枠」によって経糸が
交互に上に引き上げられ、横糸が通るすき間を空ける役割をします。また、さまざまな色の横糸
を使う場合、その糸が通る部分だけを引き上げる役をします。
 「そうこう枠」の部分を拡大したものです。これは金属でできたものですが、この針金のような
ものに糸が通る部分に穴があいており、この穴に糸を通します。大変細かな仕事です。
 「そうこう枠」の小さな穴を通った経糸は、次に「筬(おさ)」を通されます。この筬は木の枠に
取り付けられています。この木の枠が、横糸を通すたびに「トントン」と手前にうちます。
 経糸は、細かな作業を経て、筬の目をとおされいきます。経糸が張られた状態です。
 織手のもとまで通された経糸は、手前の大きな丸太のような巻き上げ機につけられます。
織物がどんどん織られていくと、巻き上げ機を巻いていきます。
 織手の手元に、織物を巻き上げる機械があります。織りあがっていく織物は手元に巻かれ、
おりあがるとはずされます。経糸は、大変長いものなので次の製品を織るのに使われます。
 先に出てきた「ひ」です。この形も様々です。これらはすべて手機用のものです。
 下の写真は筬(おさ)です。この細いくしの目の中を経糸が通され、横糸を織り込んでいくたびに
この筬が横糸をうちこんでいきます。この筬は織物のサイズや織り方によって交換されます。
これは先ほどの木の枠にはめられ、この櫛の目の中に1本1本糸が通されます。
 金属製のものが使われますが、竹でできた筬もあります。その精巧なつくりに驚かされます。
また、金属製の筬には、よく見るといろいろと形(櫛の目の形)がちがうものがあります。
筬全体が波のように蛇行しているものや、筬の櫛の目が斜めになっているもの、その一部が斜め
につくられているものなど様々です。これも、西陣織で培われた織物の技術の一つでしょう。
 この織機は、ミニ手機です。誰もが簡単に織物の体験ができます。その基本的な仕組みは、
大きな機(はた)と全く同じです。
 これは、織物の模様のもととなる原画を方眼紙に写し取ったものです。この図案をもとに、
型紙が作られます。
 上のような図案を写し取った紋紙の一部ですです。1本の帯を織るためにはこうした紋紙が
大量に必要です。
 この紋紙の役割は、機機の上に取り付けられたジャガードの機械にセットされ、経糸の動きを
コントロールして、様々な色の糸を通す隙間を空ける役割をします。西陣織の華麗なデザインを
織るために重要なものです。
現在では、織機も多くが機械化され、コンピュ
ータが導入されています。
このため、紋紙のかわりにフロッピーディスク
が使われています。
 現在の郷土資料室の様子です。
 写真撮影 平成13年10月・室町小学校・郷土資料室(資料は全て室町校所蔵)