室町学区の史蹟案内

妙 顕 寺

みょうけんじ
寺之内通新町西入ル 妙顕寺前町

 室町小学校の北側の寺之内通を西に向かって歩くと、3分ほどで妙顕寺の門
前に着きます。室町学区には多くの神社仏閣がありますが、その中でも大きな敷
地を有する寺院です。このお寺の北側に妙覚寺、西側に本法寺と日蓮宗の寺院
(本山)が集まっています。
 「日蓮宗京都十六山を総統する妙顕寺は、京都における日蓮宗最初の道場
で、三具足山の一つです。日蓮の高弟の日朗の門下、日像が創建しました。
日像は日蓮の教えを弘めるために永仁2年(1294)に京に入り、皇居の東門
前で東山に昇る日輪に向かって題目を唱え、京都における開教の第一声を上
げたといいます。最初は四条大宮のあたりに法華堂を建てますが、他宗からの
法難に寺地は転々し、豊臣秀吉の市街地改造により他の寺とともに安居院(
あぐい)通に移され、寺之内通が成立しました。法難の間にも建武元年(1334
)に後醍醐天皇から法華宗弘通の綸旨を得て勅願寺となり、のち妙覚・立本・
妙蓮・本隆の各寺などが分立します。
 寺の歴史を物語る妙顕寺文書1656通や日蓮自筆で、その思想的背景を知
ることができる神国王書など5件が重要文化財に、狩野山楽筆の楼閣山水図
屏風が京都市指定有形文化財になっています。
 天文法華の乱(1536)に全山災禍に遭い、天正12年(1584)に現在の地
に移ります。堂宇は天明大火後の再建になりますが、本尊は日蓮の持仏黄金
釈迦仏像で、祖師堂背後の鐘真窟には日蓮・日朗・日像の遺骨が納められて
います。
 本堂前の石灯籠は妙顕寺型といわれて著名なものです。
 東隣の塔頭泉妙院には緒方光琳の墓があります。」
 上京文化振興会発行「上京区の史蹟百選」より抜粋(転載承認済)