室町小学校の北の通、寺之内通を西に向かって歩くと、すぐに衣棚通が 南北に走っています。この通を北に上がるとすぐ右側にお寺の入口があり ます。住宅に囲まれていて通りすごしてしまいそうな門です。 「鎌倉時代に無外如大尼を開基とする宝慈院は、西五辻東町にあった景 愛寺の支院で、臨済宗系の尼門跡の一つでした。 無外如大尼は、鎌倉幕府の金沢実時の妻と伝えられ、無学祖元に従って 出家しました。その幼名により千代野御所と称しています。 応仁の乱で廃絶した景愛寺の寺宝が宝慈院に移されて今に至っています。 本尊の木造阿弥陀如来坐像は284.6センチの丈六仏で、上品上生の定印 を結ぶ寄木造、平安末期の作です。また、木造無外如大座像は鎌倉時代の 尼僧の頂相(ちんぞう)彫刻として珍しいもので、ともに重要文化財に指定さ れ、境内の収蔵庫に安置されています。 上京文化振興会発行「上京区の史蹟百選」より転載。(転載承認済) |