「ごみ」ってなに? 〜考古学を考える〜

平成21年3月4日(水)室町小学校 多目的室T

6年生が総合の時間に,「昔の人とごみ」の関係から,考古学について学習しました。

総合地球学研究所の,内山純蔵先生に教えていただきました。

「考古学」とは,大昔の人が,環境
とどうつき合っていたかを学ぶ学問
です。
日本では,ごみ=汚い,役に立たないものとされていますが,フィリピ
ンでは,世界各国から集められたごみを処理し,そのごみを売って,
生活している子どもたちが,一万人以上もいるそうです。ごみは,いわ
ゆる「宝」とされているのです。
時代は遡って,縄文時代のくらし
について,思い起こしながら,考え
ていきました。服や靴もちゃんと
はいて生活していたようです。土器
や土偶という物も作られました。
「貝塚」とは,いらないものが集め
られたゴミ処理場のようなもので
す。現代では,ゴミ箱は部屋の片
隅に置かれますが,大昔では,村
や家の近所におかれ,町の中心
におかれました。
貝塚には,動物の背骨や食べかす
,木の実などが集められています。
白く残ったものは,貝です。そして,
貝塚には,「死体」も埋められていた
のです。それはなぜでしょう?
北海道ではアイヌの人による,
「もの送り」という貝塚のおまつりが
あります。貝塚に,物・人・出来
事すべてのものを集めて,神へおく
るという習慣があります。「また帰っ
てきてね。」という気持ちをこめて,
貝塚に埋められているのです。昔
の人々は,ごみは「神様のもとへ
帰る場所」と考えました。
実際に,貝塚から掘られた骨や貝などを先生に,見せていただきました。
右側にあるのは,「オオヤマネコ」の骨です。
「すべての物には,魂がやどっているのだ。」ということを実感できた
ようです。

現代では,邪魔とされている「ごみ」ですが,昔の人々にとっては,「魂」であり,「宝」でした。
今日の学習を通して,物や人を大切にし,より良く生活していこう,ということを
学んだのではないでしょうか。