今年度も学級教育目標「自分の良さを発見し,伸ばそうとする子の育成」の具現化を校内研究の面から積極的な取組を実践することで,目標達成にせまるものと考える。子どもたちの持つ可能性の大きさを認識し,どの子どもたちにもそれぞれの「良さ」があることを,校内研究を中心とした教育活動の実践から共通理解したい。
学校教育目標を受けて,研究の基本方針を
| 「子どもたち個々の『良き可能性』を積極的に見いだし,個に応じた指導を進め,一人ひとりの力を伸ばし高めていく教育活動」 |
と定めて継続的な取組を進めていきたい。「児童の思い」に掲げてある「認められている」「居場所がある」「得意なものがあ」「るこんな良さがある」は,児童理解を深めるうえで重要なキーワードであり,これを十分に意識した取組でなければならない。子ども一人一人の存在を尊重し明確にして,子どもたちと個々にしっかりと結びつくことが大切ではないだろうか。子どもたちの思いを確実に受けとめ,強い信頼関係を築きながら,一人一人の思いに応える教育活動を進めることが重要である。これら目指す方向性を明確にした校内研究の取組が深まりのある学習活動の推進となり,学校教育目標の具現化への手立てとなるものと考える。
教育の今日的な課題
現在,私たちは様々な社会問題で揺れ動く変化の激しい社会にあり,今後もさらなる変動の中で,不安定な状況に陥ることが推測される。その中で,社会の変化に主体的に対応し,他者や自然と共生しながら,より良い人間関係及び社会を構築していくことがもとめられている。そのために,学校教育においては知識や技能だけでなく,それらをもとにした問題解決能力を育成することが重要となる。同時に子どもの自立心や向上心を培う必要を感じる。また,相手を思いやる心を育てるとともに,互いの立場や考えを尊重しながら自分の思いを豊かに表現したり,相手の考えを正しく理解する力の育成が最重要点になっていくものと考える。教育の今日的課題を見据えたとき,集団社会の中で調和し,自己表現していくためのコミュニケーション能力の意義を考え追究していきたい。
児童の実態
昨年度までの,算数科の研究活動の総括として,算数的思考力不足と自己表現力の弱さが課題として残った。特に,自分の思いや考えをまとめ,他者に向けて発表する活動が学習全体観として成立し得なかった。一部の児童が発表活動をリードする状況のままで,学習が終始する場面に陥りがちで,意見交流による学習の高め合いを十分な形で期待できない状況にある。
子どもたちの自己表現力や情報収集力の現状についてまとめてみると,
「話す力」で,
@自分の話したいことだけを一方的に話す。
A他者が話しているときに,途中で割り込む。
B発表の多い子とほとんど発表をしない子の差の大きさ。
C声量が弱く,場に応じた聞こえる声で話せない。
D話す意欲はあるが,文章で話せず単語の羅列で話す。
などの課題と改善点が挙げられる。
「聞く力」については,
@他者の意見を集中して聞くことができない。
A静かな態度で聞く姿勢はとれているが,内容を理解していない。
B聞く姿勢が継続できない。
などが学習実態として見えている。
以上のことから,全体的な傾向として,自分の思いや考えを人前で話したり他者の意見を正確に聞き取り理解することが苦手な児童が多いと言える。現在の社会状況から,活字に触れる場面が希薄になったり,社会風潮に
り,正しい音声言語の活用力や,思いや考えを要約した記述力の低下が深刻な状況にあるのではないか。また,読書量不足のため,語彙の少なさや単語の羅列でしか話せない児童も少なくない。人の話を聞いて人の気持ちを感じ取ったり,自分の気持ちを素直に伝え合ったりしようとする態度は人が学習し成長していく上で大切な基盤となるものであると考える。コミュニケーション不足の状態の中では,思いやりの心や,助け合う励ましの態度,学び合う態度は健全に育つことはない。
以上のことから,心ある「伝え合い」の育成の必要性を感じるに至った。
研究経過
昨年度まで,算数科を通しての研究活動を進めてきた。「一人ひとりが意欲を持って活動できる楽しい授業をめざして」と主題設定し,算数的活動を重点学習として,個に応じた指導法を工夫しながら楽しい授業の成立を目指してきた。また,学力定着調査結果の分析・考察から課題を明確にし,学習指導の方向性を示してきた。さらに小中連携教育において,小中間での課題の共通理解を図り,基礎的基本的学力の向上に向けて,各学年段階での既習事項の定着を目指し学習を継続してきた。
成果としては,算数科学習の特性を踏まえた「楽しさ」を授業展開に組み入れ,単元内容に応じた算数的活動を十分に行うことができた。それによって,児童が個々に,楽しさを味わう学習場面が多く見られたように思う。学力的にも,少しずつではあるが,安定した学習結果が見られるようになってきた。
以上のように,主題達成に向けて継続研究を進める中で,今後の算数科学習の方向性は明確になってきている。
しかし,算数科学習の中心的な学習活動と成り得るはずの算数的思考活動が十分な形で学習を進めることができなかった。これは,自分の思いや考えを一人一人が十分に伝え合うことができていない状況によるものと考えられる「伝え合い」の成立においては,単に伝えるための技法習得だけが目標ではなく,伝え合うために必要となる明確な思いや考えが生み出される,豊かな心の育成を重点目標として取り組んでいく必要性を感じるに至った。
以上の研究経過から,今後,子どもたちに必要とされるコミュニケーション能力の育成を,研究の核として取り組むことに至った。「自ら学び,自分の思いや考えを伝え合う子ども」を主題とし,国語科学習を中心に「伝え合う力」の育成に臨みたい。
まず,主題の「自ら学び」に自己学習力の育成を取り上げている。学習の連続性を重視し,学習課題に対して自ら積極的に学習を進めていく力は,自己課題の解決に向けて必要となる力である。
「自分の思いや考えを伝え合う子ども」については,豊かな表現力と確実なコミュニケーション能力の育成を目指している。自分を表現することは,すべての学習活動の基盤となるものであり,豊かな人間形成につながるものと考える。また,確かな自己表現力は,質の高い学習空間をつくり他者との高め合いを期待できるものであり,自己表現を大切にする姿勢は,他者の思いや考えを尊重し理解する姿勢につながるものとなる。
今年度は,一年次の研究活動として,国語科において「伝え合う力」の基盤となる力である「読む力」に重点において取り組む計画である。これは,確実な伝え合いを想定した場合,まずは対象となるものに対して,心の中に明確なイメージが描けていることが必要であるとの考えによる。従って,国語科学習を進めるにあたって,継続して大切にしていきたいことは,文章理解にこだわり,じっくり読み深める活動に重点を置きたい。深い読みをするということは,書かれた内容が自分の言葉で表現できるということであり,「読み」を自分のものにしたと言えるのではないか。継続した読み深め学習を行えば,確実に伝えられるべきものが,心の中に生まれてくることが期待できる。やがては,新たな自己世界観を感じながら,思いや考えに広がりが生じるる場面を想定したい。
このように「読む力」が確かなものになって,初めて「伝え合い」は成立するのではないだろうか。円滑な伝え合いが価値ある心の交流へと発展することを期待し,それに向けての「読み」の学習を,今年度の研究活動の重点として展開していきたい。
心を耕すことによる自己世界観の広がりは,他者とのさまざまな思いや考えの良質な共有関係に発展し,認め合い理解し合える人間関係の構築につながるものと考える。
7,「伝え合う力」
「伝え合う力」とは,人と人との関係の中で,互いの立場や考えを尊重し合いながら,言語を通して自分の思いや考えをを適切に表現したり,他者の思いを正確に理解して,考えを深めたりする力であると捉える。
「伝え合う力」は,国語科だけでなく,他教科等の中でも,学び合い高め合う場面では必要であり,重要な基礎学力のひとつとして捉えることができる。 話し手は自分の考えを相手に分かるように話す。聞き手は話し手の気持ちを考えながら聞く。そうする中で,相手の気持ちを分かろうとする思いやりも生まれてくる。人と人,心と心を結ぶためにも「伝え合う力」は不可欠である。「伝え合う力」を高めることは,円滑な意思疎通を図り,他と協調することのできる豊かな人間性を育成することにもつながるものと考える。これは,人権教育の基盤を形成する力と広義に理解するものである。
「話すこと・聞くこと」は,日常生活でごく当たり前に行われている。しかし,「伝え合う力」は,自然に身につくわけではなく,国語科などの学習の中で意図的・計画的に指導していかなければならない。
「伝え合う力」の育成には,次の5つの言語意識が必要である。
@相手意識・・・・・・・・誰に
A目的意識・・・・・・・・何のために
B場面,状況意識・・・・・どのような場や状況,条件で
C方法意識・・・・・・・・どのような表現や理解の方法で
D評価意識・・・・・・・・目的や意図に応じて
これらの言語意識を,学習活動を通して育てていかなければならない。これらを児童に意識させ,「伝え合う力」を育むことが,学習に主体的に取り組む児童の育成にもつながるであろう。
8,「楽しい授業」の思想
昨年度までの研究主題では,「一人ひとりが意欲を持って活動できる楽しい授業をめざして」として,「楽しい授業」づくりを核としていた。
これは,納得すべき授業形成の必要条件として『楽しさ』の存在を明確にし確立することの重要性を認識するに至ったからである。子どもが意欲的に学習できるかどうかは,その学習が子どもにとって楽しいと感じるものであるかによるところが大きい。言い換えれば,子どもの意欲ある学習活動は,授業(学習)の持つ『楽しさ』で成立するものであると考える。それ故に,子どもの思いを十分に引き出した授業のあり方を探りながら,それが子どもにとって楽しいと感じるものであるかということを,常に問いかけた研究活動を進めていかなければならない。楽しいという思いが学習の充実感となって表れることを期待し,それが意欲的な活動につながっていく授業展開を創り出すことを,研究を進める上でのめあてとして取り組んでいきたい。『楽しさ』を条件に組み入れた授業によって継続的な学習意欲を導き出すことが,主体的な学習活動につながっていくのではないだろうか。
さらに,研究の方向性として,教科の特性を十分に活用しての学習指導法の研究を深めていくことが,生き生きとした子どもの力を表現させることができるものと考える。楽しさの定義を考えた場合として,「分かる」や「できる」ことを大切にするのはもちろんのこと,それ以上に,対象物に対してのイメージがしっかりと描けたり,自分の思いや考えが気楽にのびのびと表現できたり,新しい自分が発見できたり感じたりすることができる授業。それこそが子どもが学ぶに値する学習,『楽しい授業』に成り得るものと考える。以上の考えを,今年度も大切にした校内研究を進めたい。国語科学習における「楽しさ」とは何なのかを探るところから研究を始め,仮説を立てながら「楽しさ」を常に意識した学習指導法を追究していきたい。
9,「伝え合い」の授業研究3カ年計画(慨案)
◇研究主題達成に向けて3カ年を目標として研究過程を計画する。
第一目標・・・「読む力」の向上に重点を置き,思いや考えをより確か なものにして「話す力」「聞く力」の育成につなげる。
内容・・・・・ 物語文・説明文を中心とした文章教材の読みを深める ことで,明確になった思いを伝え合う。
第二目標・・・「読む力」「話す力」「聞く力」を深め,確かな「伝え 合い」が成立する。
内容・・・・・「伝え合い」に重点を置いた教材で,思いや考えを確実 に伝え合う。
10,研究の柱
@伝え合う力(コミュニケーション能力)の育成
・国語科での工夫した学習指導による「読む力」の向上
・学力定着調査の分析・考察から各学年段階において児童の学力実態把握
・読書活動の推進による基礎的国語力(意欲・関心の喚起,語彙の獲得,心情の深ま り)の向上
・音声言語を中心とした表現活動の充実(授業展開・集会活動・朝の会・帰りの会)・到達目標の設定と学習後の評価と課題設定
A基礎的基本的学力(計算・漢字・読書・記述)の定着【学力向上プラン】
・朝学習での自主継続練習の推進
・定期的な評価判定の実施(三段階評価A・・100%,B・・80%,C・・60% ?)
・課題別学習による既習学習定着に向けての取組
・系統性を含んだ家庭学習における基本的な取組(各学年間での宿題内容共通理解)
11,研究の進め方
@教科・・『 国語科 』( 重点内容・・・・・「読む」「話す・聞く」「書く」)
A学年部会別研究目標の設定と手立ての実践
◇各学年別に系統性ある部会別目標を定め研究主題に迫る
◇学力定着調査(国語)の結果分析をもとに目標設定理由をまとめる。
◇学習の手立てをまとめ継続した取組を実践する。
12,年間計画(20年度予定)
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月日・曜日
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内 容
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形 態
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4月 2日(水)
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校内研究(案)の検討@
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研究委員会
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4月 7日(月)
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校内研究(案)の検討A
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研究委員会
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4月24日(木)
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校内研究実施(案)
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職員会議
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5月15日(木)
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研究計画(案)部会別目標検討
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全体会・部会
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6月 3日(火)
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部会別研究目標について
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研究委員会
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6月26日(木)
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部会別研究目標・理論研修
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研究全体会
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7月 4日(金)
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4年・授業研究会
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研究全体会
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8月19日(火)
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指導案検討
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部会
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8月20日(水)
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実践報告作成
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学年部会
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9月25日(木)
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2年・授業研究会
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研究全体会
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10月30日(木)
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5年・授業研究会
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研究全体会
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| 11月11日(木) |
支部研究発表会に向けて
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研究委員会
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| 12月 4日(木) |
支部研究発表会前日準備 |
研究全体会 |
| 12月 5日(金) |
支部研究発表会 |
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| 1月13日(火) |
研究のまとめに向けて |
研究委員会 |
| 3月 5日(木) |
研究のまとめ,来年度の方向性 |
研究全体会 |
※指導助言者の都合で校内研究授業日が変更になる場合があります。
※研究全体会の前に研究委員会を設定する場合があります。
※研究活動における共通理解事項は「校内研究だより」でお知らせします。
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