■ 学術誌『探究』創刊のお知らせ
 時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。また平素は本校教育活動に格別のご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。
 さて,本校では,平成14年度から3年間,さらに平成17年度から5年間の文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の研究開発校の指定を受け,研究活動を進めております。堀川高等学校では,今年度SSH事業の研究の1つに「高校生に対し,研究への意欲を高めるとともに,高校レベルの研究の質的向上を図る学術誌の創刊による教育効果に関する研究」を挙げています。事業の詳細は,下記に示しております。
 学術誌の発行は年度内を予定しております。その際には数部を送らせていただきますので,多数の皆様方に読んでいただくとともに,アンケート等に御協力していただければ幸いです。また,来年度以降に,本研究の成果を生かし研究論文募集の範囲を全国のSSH校へと広げていくことも計画しています。本校のSSH事業の取組をご理解していただくとともに,ご指導,ご助言を賜りたく案内申し上げます。


事業の内容
1.事業題目

 高校生に対し,研究への意欲を高めるとともに,高校レベルの研究の質的向上を図る学術誌の創刊による教育効果に関する研究
2.事業の方法
(1) 研究の概要
 高校生がおこなった研究発表の場として高校生向けの学術誌の発行をする。ここでいう学術誌とは,実際の科学研究の成果発表の場として学会や出版社等によって発行されている雑誌に準じたものであり,特に,掲載にあたり新規性・論理性等を審査されるようなものを指す。この際,外部の研究者や大学院生等が研究内容を評価したうえで掲載をすることや,第一線の研究者による寄稿などの生徒の作成した論文以外の内容の充実等の工夫を施す。このような高校生の論文を掲載することを目的とした学術誌は,これまでに例がないため,高校生向けの学術誌の創刊にあたり,以下の2点を中心とした研究をすすめる。

研究A.本校の生徒の論文を査読の上掲載した冊子を発行し,高校生向け学術誌として適切な編集・査読方針についての知見を得る。
研究B.高校生向けの学術誌の活用による教育効果をより高く得るための方策を明らかにする。


(2) 研究開発の実施規模
研究論文募集対象:全校生徒
高校生向け学術誌の教育効果検証:本校探究科生徒

(3) 平成18年度の研究の内容
@高校生向けの学術誌作成に向けた査読・編集方針の研究

 研究者・大学院生等に生徒の研究の実態を参考にして頂きながら,査読における留意点・論文作成の留意点などをまとめる。また,既存の学術誌・学会誌等の投稿規定・編集の流れや京都賞をはじめとする研究者に与えられる賞の選考基準の調査などをおこなう。

A高校生向けの学術誌の活用による教育効果をより高く得るための研究
 実際に学術誌を作成し,本校の生徒に読ませることでどのように変容するかをアンケートによって明らかにする。また,近隣の高等学校ならびに他のSSH校等に送付し,この学術誌の教育効果に関するアンケート等を収集する。

3.本研究の展開
 また,本研究が終了後(平成19年度以降)も,本研究の成果を生かし研究論文募集の範囲を京都市内のSSH校,そして全国のSSH校と広げていくことで,より普遍的な研究成果を得ることができる。また,これらの研究成果を踏まえることで,科学技術振興・普及を目的とした法人・財団等が高校生向け学術誌を創刊する際の障壁の多くが取り除かれることが期待される。