■ SSHの取り組み

1.科学的な研究の概要態度としての論理的・批判的言語能力を育成するための指導法の確立,ならびに探究活動による生徒の成長プロセスと探究活動の指導・支援過程とを共有する手法の研究開発

 1)探究活動による生徒の成長プロセス,ならびに教員の指導・支援過程を共有する手法の研究開発
 ア.探究活動の記録・共有に適した手法の研究開発に資する先行研究や事例を収集する。
 イ.生徒の変容・指導の過程の共有手法の研究開発をおこなう。
 ウ.共有の対象となる探究活動の指導を実施し,共有手法を試行する。

 
2)科学的な態度としての論理的・批判的言語能力を育成するための指導法の確立
 ア.論理的・批判的言語能力の育成指導に関する先行研究や実践事例を収集する。
 イ.論理的・批判的言語能力の育成指導法の研究開発をおこなう。
 ウ.開発された論理的・批判的言語能力の育成指導法を実施する。


2.取組内容

 1)探究科目(「探究基礎」・「総合探究」)における指導法に関する取組
 本校では,自然探究科・人間探究科の専門科目である「探究基礎Tα」(情報Aを代替)と「総合的な学習の時間」をあわせて「探究基礎」と呼称し,普通科においては,「情報A」と「総合的な学習の時間」をあわせて「総合探究」と呼称している。これらの授業の中で,過去研究開発された指導法を実施するとともに,これらの指導の過程やそれに伴う生徒の変容の記録に関する研究開発をすすめる。また,論理的・批判的言語能力を育成するための指導法の実践をおこなう。

 
2)課外・校外活動における生徒の研究活動の指導法などに関する取組
 これまでに研究開発された自然科学部での高度な研究活動,ポスター形式での研究発表会,そしてフィールドワークなどを実施するとともに,これらの指導の過程やそれに伴う生徒の変容の記録に関する研究開発をすすめる。

 
3)先行研究・事例収集や教員研修などに関する取組
 文献購読や研究会への参加などを通じて,研究指導の記録や指導手法の共有化・論理的・批判的言語能力を育成するための指導法に関する先行研究や事例などを収集し,検討する。


3.研究開発の実施規模

 1)探究科目(「探究基礎」・「総合探究」)における指導法に関する取組
 本校における「総合的な学習の時間」を履修する第1学年,第2学年全員を対象とする。また,「探究基礎Tα」に関する取組は人間探究科・自然探究科第1学年,「情報A」に関する取組は普通科第1学年,第2学年を対象とする。

 
2)課外・校外活動における生徒の研究活動の指導法などに関する取組
 全校生徒を対象とする。

 
3)先行研究・事例収集や教員研修などに関する取組
 全教職員ならびにTA・非常勤講師などが研究開発をすすめる。研究開発された内容を上記[取組A]・[取組B]で実施する。


4.平成22年度の研究開発の内容

 1)探究活動の記録・共有に適した手法の研究開発に資する先行研究や事例の収集
 教職員の研修会への参加や文献購読などを通じて,探究活動の記録や,指導法の記録に関する知見を得る。また,高大連携として,大学教員や大学院生から大学における研究指導法に関する事例を得る。

 
2)生徒の変容・指導の過程の共有手法の研究開発
 実際に,教員や大学生や大学院生などによるTAなどが指導の過程や生徒の変容などを記録し,探究活動の記録や,指導法の記録に関する知見を得る。

 
3)探究活動の指導実施・共有手法の試行のための実験・実習プログラムの実施
 これまでの研究開発期間に開発された実験・実習プログラムを実施するとともに,その指導過程・生徒の変容などを記録し,共有化をはかる。

 
4)探究活動の指導実施・共有手法の試行のためのフィールドワークの実施
 これまでの研究開発期間に開発されたフィールドワークや校外研修などを実施するとともに,その指導過程・生徒の変容などを記録し,共有化をはかる。

 
5)探究活動の指導実施・共有手法の試行のための自然科学部系部活動や課外活動指導の実施
 これまでの研究開発期間に開発された自然科学系部活動や課外活動の指導を実施するとともに,その指導過程・生徒の変容などを記録し,共有化をはかるとともに,それらに対する外部評価として科学コンテスト・科学オリンピックの参加等を行う。

 
6)探究活動の指導実施・共有手法の試行のためのポスター形式の発表会の実施
 これまでの研究開発期間に開発されたポスター形式の発表会を実施し,国際的な交流の場でも積極性をもてる力を育てるとともに,その指導過程・生徒の変容などを記録し,共有化をはかる。

 
7)論理的・批判的言語能力の育成指導に関する先行研究や実践事例の収集
 教職員の研修会への参加や文献購読などを通じて,論理的・批判的言語能力の指導法に関する知見を得る。

 
8)論理的・批判的言語能力の育成指導法の研究開発
 論理的・批判的言語能力の指導法について,校内で協議をすすめるとともに,外部講師による研修会,外部からも参加可能な研究会などを実施し,研究開発をすすめる。

 
9)開発された論理的・批判的言語能力の育成指導法の実施
 研究開発された,論理的・批判的言語能力の育成指導法を授業や課外活動などで実施する。

 
10)成果普及・交流
 SSHに関する広報誌等の作成やSSH生徒研究発表会参加を通じた成果普及のための他校との交流等を実施する。

 
11)運営指導委員会の開催
 SSHに係る研究開発及び運営に関して,専門的見地から指導・助言及び評価に当たるため,運営指導委員会を開催する。

 
12)評価及び報告書のとりまとめ
 
研究開発内容について総合的に評価をおこない,報告書を作成する。