子どもの確かな学びと育ちをテーマに議論!1回教育実践報告会で

 

 



広沢学校運営協議会

 129()午後145分から、広沢小学校で地域・保護者の皆様に集まっていただき、広沢学校運営協議会主催の教育実践報告会が開催されました。

雨の降る中でしたが、熱心な地域・保護者の皆様が参観授業ならびに全体会に参加くださいました。

この1年間「地域とともに作る広沢教育」をめざして、地域・保護者の皆様の学校経営・教育活動への参画により、ともに作り上げてきた教育実践を地域・保護者の皆様に報告するという「教育実践報告会」でしたが、ホームページなどで報告会の開催案内をご覧になった鳥取県三朝町教育委員会教育委員長様をはじめ15名の先生方や岡山県・宮崎県・東京都三鷹市などの他府県や京都市内の先生方にも特別に参加いただきました。遠方よりたいへんご苦労様でした。

 特定の教科・領域についての専門的な研究発表ではなく、地域・保護者の皆さんとともに広沢小学校の教育の課題について話し合うという形態に、他府県や市内からこられた先生方は、「何のために保護者を呼んでいるのか不明」と最初は多少とまどわれた様子でしたが、「参加してみて、実践報告会のめざすものが、すこし理解できましたし、運営協議会のこともわかってきました。」と地域・保護者への説明責任を果たすという学校運営協議会主催の「教育実践発表会」の趣旨をご理解いただけたのではないかと思います。

 授業公開では、本校が取り組んでいる算数科学習・英語活動・キャリア教育などさまざまな教科・領域で「楽しく分かりやすい授業」をめざして創意・工夫している日常の授業の様子を参観いただくとともに、「地域とともに作り上げる教育」ということで、ゲストティチャーに教育活動に参加して活躍していただいている様子も見ていただきました。

 保護者の皆さんからは、授業中の子どもたちの様子について「楽しく、熱心に授業を受けていました。」「元気にはきはきと授業のルールを守って楽しんで学習していた。」、また、ゲストティチャーの授業への参加について「地域の方々に七輪での火のおこし方を教えていただき、楽しそうにやっていたと思う。」「地域のボランティアの方にも、教えていただき、あたたかさを感じました。」と感想がのべられていました。

他府県や市内から参加された先生の中からは、「子どもたちの個性を大切にした教育に取り組まれているように思いました。」「一生けんめいがんばっていましたね。子どもたちを伸ばすのは先生たちですので、先生たちの努力が子どもたちに移っているようです。」というあたたかい励ましのご意見とともに、子どもたちの様子や発問・板書・指導法について大変厳しいご指摘もありました。今回は、特定の教科・領域の研究活動の発表ではなく、保護者の皆様に参観いただくということで普段の授業の姿を全学級で授業を公開しました。学級によって児童の実態や取組にも差があり、算数科を切り口として「楽しく分かりやすい授業」をめざして取り組んでいる授業改善がまだまだ全校的に日常化・一般化していないと深く反省しています。当然ご指摘いただいたことは、真摯に受け止めて、今後の本校の取り組みに生かして行きたいと思います。ありがとうございました。

 全体会のパネルティスカッションでは、泉裕幸校長の挨拶や報告会の趣旨説明の後、京都市教育委員会を代表して学校指導課大上裕司首席指導主事から広沢小学校が文部科学省のコミュニティスクールの指定ならびに京都市教育委員会からみやこ学校創生事業パイロットスクールなどの指定を受け、保護者や地域と連携して、さまざまな研究活動に取り組んでいることに対するねぎらいの言葉と新しい学習指導要領の方向性についてのお話を含めて御挨拶がありました。

 つづいて、「地域とともに作る子どもの確かな学びと育ち」をテーマに学校・保護者・地域の代表によるパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッション

「地域ぐるみで取り組む子どもの確かな学びと育ち」

コーディネータ 学校代表  野々村信子(教務主任)   

パネリスト   学校代表  西村 尚子(研究主任)

パネリスト   学校代表  尾瀬 一郎(学力定着向上委員長)

パネリスト   保護者代表 池内 和代(学校運営協議会・理事)

パネリスト   地域代表  山下 三恵(童話作家・図書館ボランティア)

 最初にコーディネータの野々村信子教諭(教務主任)から、キャリア教育とその重点としての学力の基礎・基本の保障のなど広沢小学校での取組の概要についての説明と学校評価に基づく本校の教育的課題についての話があり、それを受け、学力向上委員長の尾瀬一郎教諭から本校の「書く力・読解力に課題がある」など本校の児童の学力実態を踏まえての学力向上プランについて、広沢漢字検定・計算力向上プログラム・読解プログラムなど具体的な取組の説明がありました。中でも、3年目を迎えた漢字検定は、やれば確実に成果があがるので、児童のやる気を高め、合格率が95パーセントに達していること、他の学習意欲にもつながっていることなどの興味深い話もありました。

 つづいて、学力向上プランの中核をなす算数科を切り口とした「楽しく分かりやすい授業」をめざした授業改善の取組について、4年生の具体的な実践を通して、研究主任の西村尚子教諭から写真などを使ってくわしい説明がありました。「指示理解」「集中持続」「学習理解」「社会性」の4つの視点から、「プレテストによる既習事項の実態把握と前提条件の整備」「視覚的にわかりやすい掲示物の提示」「支援カードの活用」「具体的な操作活動の工夫」「反応アナライザーの活用による話合い活動」など学習の届きにくい児童に焦点をあてた具体的な支援の方法について詳しく、しかもユーモアを交えてわかりやすくお話をしていただきました。焦点化した児童への具体的な支援がすべての児童にとってもわかりやすい授業につながること、また、算数科を切り口としての「楽しく、分かりやすい授業」がすべての教科・領域に一般化できるようにして行きたいと熱心に語っておられました。

 つづいては、保護者の立場から元PTA役員であり、現学校運営協議会理事の池内和代さんから、親として、子どもたちが、学校で学習に取り組めるよう、朝ごはんをしっかり食べさせる、じょうぶんに睡眠時間をとらせる、学用品など学校で必要なものをきちん準備させるなど、家庭で必要な条件をそろえてあげたい。また、家庭学習や読書の習慣についても、ご自身の子育ての体験から、家庭学習は低学年から習慣化すること、習慣化出来たら、主体的な取組になるように指導すること、さらに家庭でしか学べないことを体験させることなど具体的にご自身が大切にしてきたことをお話くださいました。そして、最後に何よりも家庭は疲れた子どもを暖かく迎えいれるやすらぎの場であることが必要であるとお考えをのべられました。

一番最後に、地域の代表としての立場から、学校図書館ボランティアとして、また、童話作家として活躍されている山下三恵さんから、読書についてのお話がありました。山下さんは、読書は学力を支える基盤として必要性が叫ばれているが、自分は読書の大切さは、単に学力だけでなく、生きていく上でとても大切なものであると考えているとして、もっと幅広い考え方でとらえたい。読書することで経験が豊富になり、人生の困難なことやつらいことも乗越えていくことができる。

また、読書好きの子どもを育てるには、本を読みなさいというだけでなく、親も読書好きになる事が大切である。子どもとともに、図書館に行っていっしょに本を読む習慣をつけてはどうか。本を無理やり読ませるのではなく、最初は、どんな本でも良い。自分の読みたい本を読むことで、本を読む習慣を身につけさせる事が大切だ。そうすれば、もっと内容のある本に対する要求が自然に出てくる。

最後に、学校の図書館のボランティアをしていて感じたことは、学校の図書が少ないし、傷んでいることだ。もっと子どもが読みたい本をそろえて欲しい。また、図書室に行くと、本が散らかっていたり、整理整頓がなされていない。もっと本を大切にする気持ちを、子どもたちに育て欲しいとすばらしいご自身の読書についての持論を熱っぽく語っていただきました。

「子どもの確かな学びと育ち」をテーマに様々な立場から、すばらしいご意見やお考えが出され、私たちが子育てを進めていくうえで、有意義なお話を聞く事ができました。パネラーの皆様、本当に有難うございました。

会場からも、学校運営協議会の委員の選任や運営のこと、放課後や夏休みの補習学習についてなどいろいろな質問やご意見が出されました。参加いただきました皆様に喪お礼を申し上げます。

参加した保護者からは、「学力向上委員の尾瀬先生のお話しが大変くわしい内容で分かりやすかったです。具体的に授業改善、実践内容を聞かせていただき、大変細かな配慮をして下さっておられるのがよくわかりました。」「先生方のお話から、子どもが家で話している『漢字検定』や『ステップ』などの詳しい取組がよくわかりました。楽しい分かりやすい算数で、2けたの割り算ひとつで、こんなにも工夫されているのだという事がよくわかりました。保護者の方のお話からは、家庭で生きる力をつけること、あたたかい、安らぎの場として大切なこと、家庭学習の工夫、また、読書をすることにより、身につける力、親子で楽しむことについて、詳しくお話いただき、とても共感いたしました。」参加された先生方からは、「今日うかがったことについて、取り入れられるところをわが校でも実践して行きたいと思った。」というご意見がありました。

また、学校の取組について、キャリア教育と学力保障との関連性について、読解プリントの読解力向上における有効性反応アナライザーの活用については一部の先生から疑問視するご意見もありました。いろいろと有意義なご意見をいただき感謝しています。今後、校内研究活動で実践を通して、その有効性を検証して行きたいと思います。

今回は、地域や保護者を対象とした教育活動についての報告会であったことと、学校評価から分かる教育的課題「学力ならびにそれを支える諸条件」をテーマに学校・家庭・地域の互いの役割を考える場として位置付けした全体会であったこと、学校運営協議会の具体的な運営方法については、設立前に何回も話し合いの場がもたれており、保護者地域の皆さんには十分理解していただいているとの前提で全体会がもたれたので、他府県や市内から参加された先生方からは「地域ぐるみというテーマであり、保護者や地域の方も参加しておられるのなら、もっと地域と学校の連携のあり方どんなんなことを学ばせ育てたいのかといった視点でパネルディスカッションをもって欲しかった。」や「フロア―の意見をもっと聞いて欲しかったですね。」「コミュニティスクールについての説明がもっとあると良かったです。」とのご意見もありました。貴重なご意見をいただきありがとうございました。今後の教育実践報告会のもち方を考える上で参考にしたいと思います。ありがとうございました。

全体会の指導講評して、教育委員会の平井俊春地域教育専門主事がから、「広沢学区は、もともと児童の健全育成に大変熱心な地域である。広沢小学校は、そうした基盤の上に、文部科学省のコミュニティスクールの研究指定を受け、「学校運営協議会」を立ち上げ、「学校評価」を活用して、教育的課題を設定し、児童の実態や改善の方策を共通理解し、保護者・地域と協力・連携して学校教育をすすめておられる。本日の授業でも、地域の方々がゲストティチャーとして参加され、子どもたちに対してあたたかくご指導いただいている。また、何回もさまざまな場で教育課題について話し合い、改善に向けてとりくまれている。こうした取組が京都市のみならず全国の学校に広がっていけばと思っています。」とたいへん過分なお褒めの言葉をいただきました。

最後には、学校運営協議会を代表して、山下澄会長から教育委員会の来賓や参加された皆様に対してのお礼の言葉と学校運営協議会への協力依頼と今後の抱負が述べられ教育実践報告会が無事終了しました。参加いただきました皆様と報告会の準備・運営にあたっていただきましたも皆様に感謝いたしますとともに、今後もご支援とご協力をお願い申し上げます。

アンケートのまとめ(当日回収分)

■本日の公開授業について

@    子どもたちの様子について

・興味をもって集中していた。地域の方々に七輪での火の起こし方を教えていただき、楽しそうにやっていてよかった。(保護者)

(1年では、)元気にはきはきと、授業のルールをしっかり守って、楽しんで学習していた。(教員)

・皆楽しく、熱心に授業を受けていました。3年生は、英語でしたが、自分が欲しい形と色を楽しみながら英語で言い、また実際に色・形のカードを選んでいて、工夫が見られました。(保護者)

    子どもたちの個性を大切にした教育に取り組まれているように思いました。(教員)

・表情、表現力にとぼしい。(教員)

・いっしょうけんめい頑張っていましたね。子ども達を伸ばすのは先生たちですので、先生たちの努力が子どもたちに移っているようです。(教員)

・適度に息を抜きながら、課題にしっかり取り組んでいたと思う。(教員)

A    「楽しく分かりやすい授業」の創意・工夫について

・始まりと終りに授業のめあてを話し、地域の方々へのお礼もちゃんといえていて良かったと思う。(保護者)

・教材の工夫や保護者の講師を迎えて、子どもたちも新鮮な感じで熱心に聞いていた。(教員)

6年生は、家庭科でのボタンつけについてでしたが、2種類のボタンの特徴をとらえて、つけ方や、使い方の工夫をしっかり学んでいました。地域のボランティアの方にも、教えていただき、あたたかさを感じました。(保護者)

・手だてをさまざまなに工夫されているなあと言う感想です。黒板への掲示物にアイディアがあります。(教員)

・板書が雑、ちっとも構造的な板書になっていない。発問の練り上げがたりない。旧態依然とした古めかしい指導形態、教員の指導力の低さ。(教員)

・一部の先生達の指導力をもう少し高める必要がありますね、(教員)

・子どものペースにあわせながらも、子どもの思いや力を引き出そうと工夫されているのが分かった。(教員)

全体会「パネルディスカッション」について

@    テーマ「地域ぐるみで取り組む子どもの確かな学びと育ち」について

・地域ぐるみで広沢の子どもを育てるというお言葉が、親としてたいへんありがたく思いました。(保護者)

・今日うかがったことについて取り入れられるところを、わが校でも実践して行きたいと思った。生活リズムの確立とともに、こちらの緊張感で授業にのぞみ、休み時間は思いっきり体を動かして遊ぶことを改めて実感した。教師も真剣に研修、子どもとともと楽しんで触れ合いたいと思った。(教員)

・参加してみて、実践報告のめざすものが、少し、理解できましたし、運営協議会のこともわかってきました。(教員)

・「地域ぐるみで・・・」というテーマであり、保護者や地域の方も参加しておられるのなら、もっと、地域と学校の連携のあり方や、どんなことを学ばせ育てたいのかといった視点でパネルディスカッションを持って欲しかった。(教員)

A    パネリストのご意見やお考えについて

・学力向上委員の尾瀬先生のお話がたいへん詳しい内容で分かりやすかったです。(西村先生から)具体的に授業改善、実践内容を聞かせていただき、大変細かい配慮をして下さっておられるのが、よくわかりまして、感謝いたしました。(保護者)

・先生のお話の中から、子どもが家で話している「漢検」「ステップ」等の、くわしい取組が、よくわかりました。楽しくわかりやすい算数で、2けたの割り算ひとつで、こんなにも工夫されているのだという事がよくわかりました。保護者の方のお話からは、家庭で生きる力をつけること、(家庭が)あたたかい、やすらぎの場として大切なこと、家庭学習についての工夫、また、読書することにより、身につける力、(読書を)親子で楽しむことについて等、くわしくお話いただき、とても共感いたしました。ありがとうございました。(保護者)

・それぞれの会で、パネリストをかえながら取り組まれていることが大切なのだと思いました。(教員)

・読解プリントで読解力が上がる?そんな簡単な話ではないだろう。話を聞いていて、あきれて笑ってしまった。今さら、アナライザーでもなかろうに、過去にあったアナライザー(分析装置)、チェッカーなどはすべて消えている。ご存知なのだろうか?キャリア教育と学力向上の関連が良く分からない。(教員)

・フロア―の意見をもっと聞いてほしかったですね。(教員)

・学力向上も大切な課題であると思うが、コーディネータが、まとめとしてパネリストにたずねられたことや内容を考えると、「学力向上のために地域ぐるみで」というテーマで話されていたように感じられた。最後に、協議会の会長が話されていたような内容についてのパネルディスカッションを期待されて来校された方も多いのではないか。(教員)

その他

・本日のように学校の取組と、地域・保護者の両方のお話やご意見が聞かせていただけるとありがたいです。

・何のために保護者を呼んでいるのか不明。研究授業中に児童に外から手を振る非常識さ。(教員)

・コミュニティ・スクールについての説明がもっとあると良かったです。(教員)

当日参加された方々より寄せられたアンケートはすべて原文のまま掲載させていただきました。