広沢小学校校の総合育成支援教育

LD等教育的ニーズのある児童に対する支援のあり方について〜

 

最近、本屋さんに立ち寄ると、LDADHD・高機能自閉症などに関する書籍が大変多く出回っています。中には、そうした書籍ばかりを集めたコーナーを設けているところもあります。それだけ、こうした教育課題について多くの教育関係者や保護者のみなさんの関心の高さの表れであると思われます。

こうした本によると、LDADHD・高機能自閉症など発達障害の児童は、中枢神経系のなんらかの機能不全により、知能の遅れないものの、発達に偏りが見られ、多動傾向があったり、なかなか学習に集中して取組めなかったり、漢字を書いたり、計算をしたりすることがうまく出来なかったり、集団や遊びのルールや場の雰囲気がなかなかつかめず、誤解からまわりの友達とトラブルを起こしたりすることがあるといわれています。

そのために、よく事情のわからない人たちからは、落ち着きの無い、問題のある児童とみなされることが多いようです。

文部科学省によると、発達障害は次のように定義されています。

発達障害について

(1)  学習障害 (LD)

学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」、「計算する」又は「推論する」能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。

 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らか機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。

(2)  注意欠陥/多動性障害(ADHD)

ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣合いな「注意力」、及び/又は「衝動性」、

「多動性」を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。

また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

(3)   高機能自閉症

高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、@他人と社会的関係の形成の困難さ

A言葉の発達の遅れ、B興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものを言う。

また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

「アスペルガー症候群」とは、知的発達の遅れを伴わず、かつ自閉症の特徴のうちの言葉の発達の遅れを伴わないものである。

 文部科学省の調査によると、このような児童は、全国の児童・生徒の6パーセント程度いると言われています。40人学級ですと、学級に22.5人いることになります。障害の重い軽いの差はあれ、どのクラスにもこうした児童はいるといっても良いでしょう。LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒の存在が今日の教育が取り組むべき重要な課題の一つとされる所以です。

 事実、どの学校にも、どの学級においても、こうした児童への教育的支援に必死でとりくまれている先生方のお話を毎日のように耳にしています。教室内をうろうろしたり、場合によっては、教室から出て行ったり、突然、衝動的な行動をとったりする児童もいます。学習活動になかなか入れない児童がいます。そうした中で、子どもを何とかしようと熱心に取り組むがゆえに、ついつい厳しく叱責したり、児童を精神的に孤立的立場に追いやったりして、結果として児童に劣等感をもたせたり、かえって混乱させたりするケースもなかったとはいえません。とりわけ、こうした児童の障害の様子が多くの人々にただしく認識されていない初期の状況においては、こうした症状を本人の性格や家庭のしつけの問題とみなされ、誤った認識のゆえに、そこから児童にいろいろと劣等感を植えつけたり、自尊感情を著しく低下させるなどの二次的な問題や児童や保護者との無用の軋轢を生むことも多くありました。

 しかしながら、医学や心理学の研究の成果と多くの熱心な教育関係者の実践的な取組により、LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒に対する正しい認識・理解が生れ、LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒をめぐっての状況は少しずつ改善が見られるようになってきています。教育的ニーズのある児童を核とした学習指導や学級経営が学校全体の支援体制の中で数多く展開されるようになり多くのLDADHD・高機能自閉症等の児童生徒が学級の中にしっかりと居場所を確保し、学級の仲間と仲よく支えあいながら学校生活を送る姿が見られるようになってきました。また、障害の特性を踏まえた学習指導法の創意・工夫により、いろいろな学習活動にも積極的に参加する姿が見られるようになってきています。このことは大変すばらしいことだと思います。

こうした子どもたちの障害についての正しい認識がされていなかった初期の頃には、教育現場の中ですら、ついつい「この子さえいなければ授業がうまく進むのに」「この子さえいなければ学級がまとまるのに」などと排除する傾向がなかったとはけっして言えなかったように思います。たしかに、LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒は、障害の特性を十分踏まえて、様々な工夫と配慮をしながら、学習活動に参加させることが必要ですが、同時にまわりの児童生徒のかかわりと支えもたいへん必要としています。

とりわけ、その行動の特性から先生や保護者から叱責を受けたり、学級集団から疎外されることも多く、自尊感情が著しく低下していることが多いようです。こうした自尊感情の低さからその行動がより増幅されることもあるのではないかと考えます。したがって、学級集団から自分自身のよさを認められることがなによりも大切になってきます。事実、学級集団から受け入れられ、認められることにより著しく行動がよりよく変容した事例はたくさんあります。

どんなに指導が困難であろうとも、パニックにより落ち着くまで一時的に教室を離れることはあっても、排除してはならないと考えています。もし、指導者が「この子さえいなければ」という考えを持っていれば、その児童自身が敏感に感じ取って自尊感情が低下するだけでなく、学級の子どもたちも自己中心的な排除の思いを持った子どもが生れてくると思います。しかし、LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒を中心にして、「この子にこのような力を身につけさせたい」「みんなが分かる授業をするのだ」という強い信念を持って、学習指導や学級経営を進めるならば、担任の一人ひとりの違いを認め、大切にするその温かいまなざしや思いは、きっと子どもに伝わり、互いに認め合い支えあうすばらしい学級集団が築かれることと思います。

LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒に対しての障害特性や認知特性を踏まえた学習指導上の手立てや配慮は、そうした児童のみに役立つことはもちろんですが、それだけでなく、同時に学級のすべての児童に対しても役立つ手立てであり、配慮でもあるということです。

LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒に「分かりやすく、楽しい授業」は、すべての児童にとって分かりやすく楽しい授業になるのだと確信しています。

さらに、LDADHD、高機能自閉症等による教育的ニーズのある児童についてのさまざまな方法を通して児童を理解しようとすることを徹底することによって、知らず知らずのうちに、そのことが学級のすべての児童に対しても、その行動を常にその背後にある要因まで深く見つめようとする姿勢につながっていくのだと考えています。ごくありふれた児童の「忘れ物をする」という行動一つを取り上げても、忘れ物をしないように叱責や注意してすませるだけでなく、その児童の家庭の状況や保護者の関わり方や児童の性格など様々な面から児童の行動を理解し、その児童にあった指導しようとするのではないでしょうか。

学習指導・学級経営を効果的に進めるには、何よりも、まず徹底して児童を理解することが大切です。このことは、私達が常々、学級経営の中で一番大切にしてきたことです。障害があろうとなかろうと、どの学級にも、配慮を要する児童はいます。そうした児童の行動の現象面だけにとらわれるのでなく、その背後にある要因をしっかりと探りながら、要因をふまえながら、その子にあった手だてを創意・工夫することが必要です。

LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒に真摯に関わる中で、LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒にとって必要な支援は、すべての児童にとっても必要な支援であったと改めて気づかせてくれるきっかけとなったのではないでしょうか。

LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒の存在によって、私達が、学習指導や学級経営など教育の営みの中で、ついつい忘れがちであったこと・見落としていたことを改めて教えてくれたのではないでしょうか。LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒を中心にすえた学習指導・学級経営ができてこそ、一人ひとりの個が輝くすばらしい学級集団に育つと信じています。

最後に、人権教育の視点から、LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒の問題を考えたいと思います。

近年、人権教育の4つの視点から、学校教育のすべての活動を捉えなおし、学校教育の全教育活動を通して、人権教育を進めることが言われています。

その一つは、「人権としての教育」の視点から、障害のあるなしにかかわらず、すべての児童に学習活動への参加を保障し、学力を保障していくことが大切であることは言うまでもありません。しかし、人には、一人ひとり個性があり、学び方が異なります。一律に指導するのでなく。そうした個人の学び方のちがいを認め、ちがいに配慮した支援が必要かと思います。LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒は、その障害の特性から、こうしたことがとりわけ大切かと思われます。授業場面で、障害の特性から「集中持続」「指示理解」「学習理解」「社会性」4つの視点からの様々な教育的支援が必要かと思われます。

LDADHD・高機能自閉症等の児童への気付きも、この視点からの気付きが何よりも大切であると思います。教師が指導に困っているということだけでは、ある程度、学級集団に入れることで、「なんとか教室でおとなしく勉強しているから。まあいいや。」と取組がそこで足踏みしてしまいがちです。しかし、LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒の学習への参加や学力保障が不十分で困って入るという観点から捉えるならば、LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒が学級の中に入れているだけでは、なんら課題が解決したことにはなりません。それこそ、障害の特性を踏まえた学習指導法がどんどん創意・工夫されなければなりません。

また、「人権を通しての教育」の視点からとらえるならば、LDADHD・高機能自閉症等の児童生徒を中心にした、誰もが認められ支えあえる学級集団作りが大切です。障害のあるなしにかかわらず共生・共学する学級集団に育つことが必要です。むしろLDADHD・高機能自閉症等の児童生徒が学級に存在するからこそ、人についての正しい理解や認識が育つのであり、学級のすべての児童が真に豊かな心をもつ人間としての成長がなしえるのであると信じています。

本校では、平成17年度から校内委員会(総合育成支援教育委員会)を設置し、LD等教育的ニーズのある児童に対する校内支援体制を作るとともに、各学級に在籍する児童に対する支援をすすめています。具体的には、LDADHD・高機能自閉症など教育的なニーズのある児童を中心にした認め合い支えあう学級集団作りを基盤に、障害特性・認知特性をふまえた具体的な学習に対する支援を行うとともに、校内委員会や関係機関との連携により、当該児童・保護者・教員へのサポートを積極的にすすめています。

また、平成18年度からは、LDADHD・高機能自閉症など教育的なニーズのある児童のためのLD等通級指導教室」が京都市立小中学校9ケ校のひとつとして本校にも設置されました。

LD等通級指導教室」での指導と巡回による指導とをうまく併用しながらLDADHD・高機能自閉症など教育的なニーズのある児童の支援にあたっています。

さらに、平成19年度からは、児童一人ひとりに確かな学びと育ちを保障するために、「楽しく分かりやすい授業」をめざして、算数科学習を通して指導法の改善に取り組み始めています。とりわけ、LD等教育的ニーズのある児童に焦点を当て、具体的な支援の方法について創意・工夫しています。このことがひいては、すべての児童に届く授業を保障することにつながると固く信じています。

 こうした本校の取組みについて、保護者の皆様や地域の皆様の温かいご理解とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LD等教育的ニーズのある児童に対する支援のあり方

総合育成支援教育部

 

本校では、LDADHD・高機能自閉症など教育的なニーズのある児童に対する支援をすすめるにあたっては、所属する学級担任を中心としながらも、全校体制で支援に取り組んでいくことが大変重要であると考えています。

そして、担任と通級指導教室担任と校内委員会が互いの役割と責任を明確にしながら、連携・協力するとともに、保護者や関係機関との連携も密にして取組を進めていくことが大切であると思います。

 

(1)学級担任の役割と具体的な支援について

@児童の実態の把握

LD等教育的なニーズのある児童は、普通学級に在籍しているわけですから、何よりも担任の役割が、とても重要になります。

まず、担任が児童の困りに気づくことから始まるのではないかと思います。

「担任の指示が伝わりにくい。」「授業中、学習になかなか集中しにくい。」「友達とコミュニケーションがとりにくい」「友達と良くトラブルを起こす」などの行動面での気になる現象がみられたら、「気付きのリスト」などを活用して、さらに学校での児童の様子を詳しくきめ細かに観察するとともに、家庭での様子も保護者から聞き、実態把握と現象の背後にある原因をしっかりと把握することが必要です。

そして、管理職や総合育成支援教育主任を中心とする校内委員会で当該児童の実態と背後要因の把握や具体的な支援の方法についてケース会議をもち、話し合います。場合によっては、児童相談所や総合支援学校の育みセンターなど関係機関と相談し、保護者了解の上で発達検査を受け、医師や専門家の助言を仰ぐことも必要かと思います。

A    個別の指導計画を作成する。

 「気付きのリスト」などで児童の実態の実態が把握につづいて、通級指導教室の担任や専門家の助言により「個別の指導計画」を作成します。個別の指導計画は、長期間にわたる指導の方針を明確にし、指導に一貫性をもたせるとともに、指導の成果と課題を明確にする上で、とても大切であると考えています。

児童の実態をもとに、背後にある要因をしっかりととらえ、それに基づいて「A児が授業中に、立ち歩いたり、教室から出て行ったりするのは、障害のために、周りの刺激に過剰に反応して教師の指示がしっかりと聞けないためである。したがって、まわりの刺激を少なくしたり、視覚的な工夫をしながら、分かりやすい簡潔な発問をする事により、指示が理解しやすいようにしてやれば、多動傾向は現象するのではないか」とか「B児が周囲の児童とトラブルを起こしたり、切れたりするのは、遊びのルールや場の空気をなかなか理解しにくいからである。したがってルールを理解しやすいようにいろいろと工夫をしたり、教師が児童の間に入って周りの児童の気持ちや立場がB児によく分かるように配慮を加えることにより、切れたり、トラブルを起こしたりすることが減少するのではないか」などと指導仮説をたて、長期ならびに短期の課題を設定し、具体的な支援の方法を考えます。

本校では、「集中持続」「指示理解」「学習理解」「社会性」4つの視点から実態とその要因や具体的な手だてを考えることにしています。

B    障害の認知特性・行動特性に基づいた指導法の工夫

個別の指導計画に基づいて、担任がLDADHD・高機能自閉症など教育的なニーズのある児童を中心にした認め合い支えあう学級集団作りを行うとともに、そのことを基盤に、校内委員会や通級指導教室との連携・協力のもとに当該児童の障害特性や認知特性をふまえた具体的な学習に対する具体的な支援を行って行きます。

例えば、アスペルガー症候群の児童は、図形領域の学習が苦手といわれていますが、頭の中だけで考えさせるのでなく、具体的な物や道具を実際に操作しながら視覚的に分かりやすい工夫をこらしながら児童の理解を図ることが大切です。

 周りの情報や刺激をうまく整理・選択して取り入れにくいために、教師の指示が理解しにくい児童に対しては、教師の指示に集中しやすいように、できるだけあいまいな表現をさけ、わかりやすく簡潔な言葉による発問をするとともに、指示が残るように黒板にも指示や課題を書いたり、活動内容をかんたんな絵や記号であらわすなど、児童が理解しやすいような工夫をいろいろと取り入れて行きます。

 本校では、19年度から算数科の学習指導を切り口に、すべての児童に届く「楽しく、分かりやすい授業」をめざして、教育活動に取り組むとともに、その中で、とりわけ発達障害のある児童に焦点をあて、具体的な操作活動や体験活動やヒントカードや反応アナライザーの工夫など具体的な支援の在り方をいろいろと研究していくことになりました。 

 また、LD等発達障害のある児童は、その行動特性から、しかられたり、失敗したりすることが多く、自尊感情の低下が著しい場合が多いようです。そのために、できるだけ、できたことやがんばっていることを、出来るだけほめてやることが必要です。やればできるという自信がきっと意欲につながっていくと思います。 

C    学級集団に対する働きかけ

LD等教育的ニーズのある児童たちは、その行動の特性から先生や保護者から叱責を受けたり、学級集団から疎外されることも多く、自尊感情が著しく低下していることが多いようです。こうした自尊感情の低さからその行動特性がより増幅されることもあるのではないかと考えます。したがって、学級集団から自分自身のよさを認められることがなによりも大切になってきます。こうした子どもたちの障害についての正しい認識がされていなかった初期の頃には、教育現場の中ですら、ついつい「この子さえいなければ授業がうまく進むのに」「この子さえいなければ学級がまとまるのに」などと排除する傾向がなかったとはけっして言えなかったように思います。たしかに、LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒は、障害の特性を十分踏まえて、様々な工夫と配慮をしながら、学習活動に参加させることが必要ですが、同時にまわりの児童生徒のかかわりと支えもたいへん必要としています。

事実、学級での「良いこと見つけ」などの取組を通して、学級の児童一人ひとりの自尊感情を高め、互いに認め合える集団を作ることにより、LD等教育的ニーズのある児童が学級集団から受け入れられ、認められることにより著しく行動がよりよく変容した事例はたくさんあります。

どんなに指導が困難であろうとも、パニックにより落ち着くまで一時的に教室を離れることはあっても、排除してはならないと考えています。もし、指導者が「この子さえいなければ」という考えを持っていれば、その児童自身が敏感に感じ取って自尊感情が低下するだけでなく、学級の子どもたちも自己中心的な排除の思いを持った子どもが生れてくると思います。しかし、LDADHD、高機能自閉症等の児童生徒を中心にして、「この子にこのような力を身につけさせたい」「みんなが分かる授業をするのだ」という強い信念を持って、学習指導や学級経営を進めるとともに、教育的ニーズのある児童に対する接し方を教師の関わりを通して児童に理解させることが大切です。担任の一人ひとりの違いを認め、大切にするその温かいまなざしや思いは、きっと子どもに伝わり、互いに認め合い支えあうすばらしい学級集団が築かれることと思います。

D    LD等通級指導教室」の担任との連携

LD等教育的ニーズのある児童は、保護者の了解のもと、「通級指導教室」に

通級して個別指導を受けることが出来ます。

「通級指導教室」では、「個別の指導計画」の課題に基づいて、「学習中の約束やルールを身につける」「落ち着いて話をしっかりと聞く」「字をしっかりと丁寧に書く」など普通教室ではなかなか身につけにくいスキルなどを中心に学ばせます。時には、遅れている学力の補充もし、自信を回復させることも行います。

しかし、場合によっては、通級指導教室の担任が普通教室に出向いて、T-Tとして当該児童の学習の支援を行います。LD等教育的ニーズのある児童が教師の指示をしっかりと聞き、集中して学習に取組めるように支援をします。授業中に気がついたことは、「連絡ノート」に記録しておき、後から担任にも伝えます。

「普通教室」の担任と「通級指導教室」の担任が「個別の指導計画」をもとに、課題と具体的な手立てを共通理解し、連携・協力しながら指導や支援を進めていくことが大切となります。

E    教育的ニーズのある児童の保護者との連携

LD等教育的ニーズのある児童への支援は、学校内だけで出来るものではあ

りません。LD等教育的ニーズのある児童の保護者と連携・協力してすすめて行かなければうまく行くものではないことは言うまでもありません。とりわけ教師と保護者の信頼関係の構築が必要かと考えています。

発達障害のある児童を持つ保護者は、どのように児童を理解し、接してよいか、どのように指導すればよいのかわからず、大変困っておられます。

その保護者の困りを理解し、温かく受け止めながら、連携・協力していかなければなりません。中には、わが子が発達障害であるという理解がない場合も多いようです。そこで、担任や学校としては、次のようなことを積極的にすすめていくことがとても大切です。

    家庭訪問など連絡を密にして、保護者の思いや願いを理解するとともに信頼関係を築く。

    学校での児童のがんばっている様子を積極的に伝えていく。

    保護者とつらさや苦しみを共感し、励ましたり、不安を軽減させたりする。

    保護者が児童の障害について正しく受け止められるように働きかけていく。

F    校内委員会との連携・協力

本校では、LDADHD・高機能自閉症など教育的なニーズのある児童に対する支援をすすめるにあたっては、所属する学級担任を中心としながらも、全校体制で支援に取り組んでいくことが大変重要であると考えています。

そこで、本校では、校長・教頭・総合育成教育主任を中心とする校内委員会

を組織し、2カ月に1回、定期的に委員会を開催しています。

また、必要に応じて、当該児童の在籍する学級の担任の求めに応じて、ケース会議を持ち、児童の実態把握と具体的な支援の方法について話し合っています。

G    関係機関との連携を密にし、助言や相談を受ける。

場合によっては、「京都市児童福祉センター」や「西総合支援学校のサポートチーム」などに相談したり、児童に発達検査を受けてもらったりするとともに、医師や専門家から専門的な指導や助言を受けています。本校の学校運営協議会専門委員の小谷裕実先生(医師)からもいろいろと指導や助言を頂いています。

(2)校内委員会の役割と具体的な支援について

本校では、LDADHD・高機能自閉症など教育的なニーズのある児童に対する支援をすすめるにあたっては、全校体制で支援に取り組んでいくことが大変重要であると考えています。

そこで、本校では、校長・教頭・総合育成教育主任を中心とする校内委員会

を組織し、2カ月に1回、定期的に委員会を開催しています。

また、必要に応じて、当該児童の在籍する学級の担任の求めに応じて、ケース会議を持ち、児童の実態把握と具体的な支援の方法について話し合っています。

 校内委員会の具体的な役割について述べたいと思います。

@LD等教育的ニーズのある児童の実態の把握

校内委員会としては、校内にいるLD等教育的ニーズのある児童の実態について、正確に把握することが必要です。

まず、児童の困りに気付くことが大切になってきます。担任が学級で指導していて気がつくことが一番多いと思いますが、保護者から相談を受けて分かることもあるかと思います。児童の困りに気付いたら、担任一人で抱え込まずに、管理職、総合育成支援教育主任、通級指導教室担任などに相談し、支援の要請を行います。本校では、LD等通級指導教室の担任がいますので、担任の要請により、必要に応じて学級に入り、当該児童の様子をじっくりと観察して実態の把握に努めています。

校内委員会では、担任から相談があった児童の中で医師からLD等発達障害と診断を受けている児童はもちろんのこと、発達障害と思われる児童も含め支援の必要な児童としてリストアップしています。

A校内委員会を開催し、LD等の児童の支援について話し合う

担任から支援要請のあったLD等教育的ニーズのある児童に対しては、校内委員会で次のような内容について話し合いを行います。

    児童の実態(行動や現象)について

    児童の行動や現象の背後にある要因について(障害特性)

    指導仮説の設定について

    長期ならびに短期の課題の設定について

    障害特性をふまえた具体的な支援の手だてについて

(集中持続・指示理解・学習理解・社会性の視点から)

    通級指導教室担任の支援(巡回指導)について

    「通級指導教室」への通級の必要性(保護者の了解必要)

    保護者との話し合いについて

B個別の指導計画の作成についての相談

個別の指導計画の作成にあたり、当該児童の実態や障害特性をふまえて担任に対して相談を受けたり、いろいろと助言を行う。

    児童の実態(行動や現象)について

    児童・保護者の願いなど

    児童の行動や現象の背後にある要因について(障害特性)

    指導仮説の設定について

    長期ならびに短期の課題の設定について

    障害特性をふまえた具体的な支援の手だてについて

(集中持続・指示理解・学習理解・社会性の視点から)

C    校内研修会の企画立案を行う。

LD等教育的ニーズのある児童の障害について正しい理解を図り、障害特性や行動特性をふまえた適切な指導や支援が行えるように指導力を高めるための研修を企画立案する。

研 修 の 内 容 に つ い て

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LD等教育的ニーズのある児童についての共通理解

(「個別の指導計画」をもとにして)

指導助言 皇學館大學教授 小谷裕実先生(医師)

LD等教育的ニーズのある児童についての具体的な支援について

(「個別の指導計画」をもとにして)

指導助言 総合育成支援課 指導主事 小松晃子先生

LD等教育的ニーズのある児童の変容について

(「個別の指導計画」をもとにして)

指導助言 総合育成支援課 指導主事 小松晃子先生

こうした「総合育成支援教育委員会」だけでなく、「校内研究委員会」でも年間6回の校内授業研究会で算数科指導を切り口として、LD等教育的ニーズのある児童に焦点をあてて具体的な支援のあり方についての研究A取組んでいます。

D関係機関との連携を図る。

 必要に応じて、校内委員会や総合育成支援教育主任が窓口となり、関係機関と連絡をとり、専門家や医師の指導や助言を受けています。

    京都市児童福祉センター

    西総合支援学校「育みセンター」など

H    保護者・地域の発達障害に対する正しい理解を図る。

LD等教育的ニーズのある児童への誤解や偏見をのぞき、発達障害に対する正しい理解を図るとともに、あたたかい働きかけや支援が行えるように、保護者や地域の人々への研修会を行う。

 

 

LD等教育的ニーズのある児童への支援について

担任の役割

課題と手だて(個別の指導計画)

      焦点化児童  集中持続・指示理解

           ↓↑   学習理解・社会性

学 級 集 団

互いに認め合い支えあう学級集団

           ↑↓

校内支援体制

校内委員会ケース会議  取組みの方針の決定

対象児童の決定

通級指導教室

・巡回指導

・通級指導(抽出)

 

関係機関との連携

        西総合支援学校「育みセンター・サポートチーム」

        京都市児童福祉センタ-