充実した夏休みを過ごすために

京都市立広沢小学校
校長   泉 弘幸 

あと1週間ばかりで、いよいよ夏休みに入ります。一昨年度から二期制となり、夏休みや冬休みが学期の区切りではなく、学期の途中に位置付けられることになりました。ふだん学校では、基本的生活習慣の確立や生きる力の基盤となる基礎的・基本的な学力の定着など、お子たちの自立を図り、生きる力を培うさまざまな取組を行っていますが、夏休みは、そうした自主・自立の精神やたくましく生きる力をよりいっそう高め、しっかり身につけるための期間として位置付けています。長期休業を有効に活用し、自由研究やボランティア活動や旅行など、普段ではなかなかできにくいことにじっくりと取り組むことも可能です。しかし、学校がお休みになるために、お子たちの生活リズムがくずれやすい時期でもあります。毎日家庭学習を中心とした規則正しい生活を送り、学習や生活や健康面での課題を明らかにして、課題克服に向けて取り組むとともに、長期休業中でしかできない様々な体験活動に積極的にチャレンジし、有意義な夏休みを送っていただきたいと思います。また、親子でともにいろいろな活動に取り組むことにより、親子のふれあいをよりいっそう深める良い機会としていただければと思います。学校でも、そうしたお子たちの活動を最大限支援するために、学習会・プール開放など様々な取組を行います。さらにまた、PTA・地域の方々とも連携・協力して親子で陶芸教室や歴史探検教室を行うなどお子たちの体験活動のよりいっそうの充実を図りたいと思います。

充実した夏休みを送るために大切なこと

[1]生活リズムをしっかりと確立し、規則正しい生活をしましょう。

 夏休みは、学校がお休みになるために、起床・就寝時刻が不規則になり、生活リズムを崩しがちになります。規則正しい生活リズムを築いていくことは、お子たちの健康生活を維持し、健康自立を確立するために欠かすことが出来ません。そこで、毎日、学習時間を決め、きめられた時間机に向かって家庭学習に取り組めるようにしたいものです。家庭学習は出来るだけ朝のすずしい時間帯に行うようにしてください。そして、家庭学習を中心とした生活リズムの確立に努めてください。そのために、学校で行う学習会・プール開放・教育相談・登校日などには出来るだけ参加し、お子たちが規則正しい生活を送るための節目としてご活用ください。

また、子どもが基本的な生活習慣を身につけるには、家族の働きかけ、とりわけ「うまくできたね。」「よくがんばったね。」「失敗しても大丈夫だよ。また、こんどがんばろうね。」などと言った声かけが大切であるといわれています。こうした声かけが基本的な生活習慣の形成だけでなく、お子たちの自己肯定感(自分が有能であり、周囲から認められているという思い)を育てる上でも、たいへん重要な働きをしています。自己肯定感の育っている子どもは、学習場面でもたいへん意欲的で、学習活動に対しても積極的で、何かにつまずいても、立ち直るのが早いと言われています。将来、自らの人生を切り拓き、たくましく生きぬいていける子どもを育てるうえで、自己肯定感(自尊感情)を育んでいかなければならないと考えています。

[2]毎日決まった時間に家庭学習をすることで、自学自習の能力・態度・習慣を身につけましよう。

 学校では、日ごろから児童の意欲や主体性を大切にした学習活動を行うとともに、毎日児童の発達段階にそくした一定量の宿題を出すようにしています。児童の自学・自習の能力・態度・習慣を身につけさせるためです。新しい学習指導要領では、児童の「自ら学び、自ら考える力」を身につけさせることを強調しています。これからの先行き不透明な混迷する社会を「たくましく生きぬく力」を身につけるには、単に知識を得、理解を深めるだけでなく、「自ら学ぶ力」を育てて行くことがなによりも大切です。とりわけ、中学になると進学や就職など将来展望に向けてこうした主体的な学習の能力・態度・習慣を身につけることが要求されます。そこで、夏休み中は、学校から出された宿題や課題を一度にまとめてやってしまったりするのでなく、長期の見通しを立てて計画的にやり遂げるようにしたいものです。そのためには、親子で相談して夏休みの学習計画を立てて欲しいと思います。そして、「学習計画表」にもとずいて計画的に無理やむらのない家庭学習に取り組んでいただきたいと思います。出来ないからと言ってすぐに答えを教えてしまうのでなく、ヒントを与えたり、調べ方を教えたりしながら、できるだけ自分の力で答えを見つけ出せるように温かく支援していただければと思います。夏休み期間中にお子たちの主体的な自学自習の能力・態度・習慣の育成を図っていただきたいと思います。

[3]取り組む課題を明確にして、課題を克服しましょう。

 前期の前半期をふりかえり、どのような学習内容が十分に身についていないか、日常の生活習慣の中で何を身につけなければいけないか、健康面で留意しなければならないことは何かなど、学習・生活・健康面でのお子たちの発達段階を踏まえて、身につけなければならない課題を明らかにし、課題を克服するために具体的にどのようなことに取り組めばよいのか親子で十分に話し合いをしていただき、課題克服に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。過日配布いたしましたお子たちの実態についてのアンケート調査をそのためにおおいに活用していただければと思います。

 夏休み前に個人懇談会を行いますので、担任ともお子たちの実態ならびに課題克服に向けて具体的に何をすべきか十分にお話し合いを行ってください。必要があれば、今回の懇談会とは、別に日時をとって話し合いを持っていただきたいと存じます。

[4]長期の休業期間を利用してふだん出来ないことを十分に体験させましょう。

夏休みは、長い休みがありますので、余暇の時間もたっぷりあり、ふだん時間に追われてなかなか出来ない自由研究や動植物の継続した観察や工作などいろいろな多彩な体験を積ませることが可能になってきます。子どもたちは、常に好奇心に満ちあふれています。いろいろな事柄に対して「なぜだろう?」とか、「どうしてだろう?」とか、いろいろと疑問をもちます。しかし、ふだんは身の回りに適切なアドバイスをする人がいなかったり、考えるための時間が十分なかったりして、それ以上深く探求することなく終わってしまいます。夏休みには、たっぷりある時間をうまく使って、子どもたちのこうした疑問や問題について、子どもたちなりに予想や仮説をたてさせ、どのようにしたら解決できるか確かめる方法も自分なりに考えさせて、自力で問題解決・課題解決できるように支援してやりたいものです。本校では、毎年、「夏休み作品展」を行っていますが、毎回たいへんたくさんの児童が自由研究や工作などに熱心に取り組み、多くの力作が展示されています。もちろん、こうしたことは、子どもたちの力だけでは、なかなかやり遂げることは困難です。まわりの大人たちが、子どもたちの興味・関心をうまく引き出し、うまく問題解決できるように考え方や調べる方法についてしっかりと助言を与えてやることが必要です。ふだんは、仕事でお忙しい保護者の皆様も、夏休み中は、お子たちとかかわる時間も多少は生み出しやすいのではないでしょうか。海や山に出かけていくことも多いでしょう。そうした機会をうまく利用して、お子たちの自由研究にかかわっていただければと思います。こうして得た経験は、きっと将来お子たちのたくましく生きる力となって立派に役立つものと信じています。もちろん、自由研究だけでなく、いっしょに何かを製作するのも良いでしょうし、親子いっしょにボランティア活動に取り組むの良いのではないでしょうか。夏やすみには、PTAや地域でも親子陶芸教室・歴史探検教室(ウォーク・ラリー)・桂川のいかだ下り・嵐山灯ろう流しなどいろいろな行事が行われます。こうした行事にもぜひとも積極的に参加し、さまざまな体験をし、豊富な経験を積ませてやっていただきたいと思います。

「市民しんぶん」(771号 平成1871日発行)には、夏休み体験学習特集「夏休みの思い出を作ろう」という記事が出ています。お子たちの体験学習・体験活動を計画する上でたいへん参考になのます。また、630日に配布しました「GOGO土曜塾」も参考になります。ご参照ください。

[5]親子でともにさまざまな活動に取り組むことで親子のふれあいを深めましょう。

 子どもへの関わりが大切だと分かりつつも、仕事などで、日ごろ、子どもたちといっしょに活動することが少なくなっているとお感じになっていることと思います。前にも申し上げましたが、ふだんは、仕事でお忙しい保護者の皆様も、夏休み中は、お子たちとかかわる時間もいくぶんは生み出しやすい条件にあるのではないでしょうか。海や山に出かけていくことも多いでしょう。そうした機会をうまく利用して、お子たちとのふれあいを図っていただきたいと思います。

夏休み親子でチャレンジ!!

この夏休み、親子で何かにチャレンジしてみませんか。親子でともに何かをすることにより、子どもたちもきっと多くのことを学びとることと思います。

たとえばこんなことをしてみてはいかがでしょう?

     アウトドア派  親子で川釣りに挑戦

         親子でバードウォッチング

         親子で草笛づくり

□ 遊び派      親子で独楽回し

         親子で竹トンボ作り

         親子で剣玉に挑戦!

□ 芸術派    親子で絵を描いて見ませんか。(親子で肖像画にチャレンジ)

         親子で工作をしてみませんか。(バードカービング・動くおもちゃなど)

親子で夏の植物スケッチ どちらがたくさんの種類を描けるか

     料理派    親子で京のおばんざいづくりにチャレンジ

         親子で蕎麦うち体験はいかが

□ 勤労奉仕派  親子で毎日門掃きをがんばろう。

         親子で地域の公園を掃除しよう。

□ 書斎派    親子で読書にチャレンジしよう。夏休み中に何冊読めるかな?

         家族でともにひとつの作品を読みあう。(家庭輪読会)

         同じ作品を家族で読み合い、紙芝居をつくろう

     研究派      親子で地域の川や空気の汚染度を調べよう。

         親子で地域の産業を調べよう。

         親子で街角ウォッチング(石碑さがし・町屋さがし)

■下記の公共施設や機関では、夏休み中のお子たちのためのさまざまな体験学習を計画しています。「市民しんぶん」(771号 平成1871日発行)にも掲載されています。一度お問い合わせください。

○青少年科学センター

京都市伏見区深草ノ内町   TEL642-1601FAX642-1605

○繊維技術センター

京都市上京区上立売上る   TEL441-3165

○学校歴史博物館

   京都市下京区御幸町仏光寺下る TEL344-1305 

○考古資料館

上京区今出川大宮東入     TEL432-3245

○衛生公害研究所

中京区壬生東高田町      TEL312-4942

[6]充実した夏休みを送るには、何よりもお子たちの安全が大切です。

 お子たちが充実した夏休みを過ごすために、何よりも大切なことは、病気やけがをすることなく毎日が安全に過ごせることです。交通事故や不審者など子どもの安全を脅かすものがたいへん多くなった昨今、とりわけ身の安全を守れるようにさまざまな配慮したいと思います。子どもたちには、「夏休みのきまり」をもとにくわしく指導を行います